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1月度の実績から 2011-03-30(第1075号)

平成23年1月の段ボール生産が9億1,532万1千m2、前年同月比2.7%増と発表された。過去最高だった平成20年1月の生産量9億4,502万4千m2にはまだ2,900万m2ほど不足するが、リーマン・ショックと折柄の段ボール値上げに関連する需要前倒しの反動減が重なった平成21年1月の8億5,160万m2に比べると6,400万m2もの回復で、段ボール需要と同時に日本経済の回復が着実な歩みを辿りつつあった折柄の3月11日、東北関東大震災だったことが言えるだろう。

つづく平成23年2月の生産速報が10億27万9千m2、前年比2.4%増と発表された。同時に経済産業省から発表された段ボール原紙の生産が前年比7.1%増、出荷が5.4%増だから、段ボールサイドの春需要期を前にした原紙の購買意欲の盛り上がりが感じられる数字で、3月の"激変"がどういう数字になって現れるかが最も注目されるところとなっている。

毎日のテレビ画面に見る被災者の苦難は筆舌に尽くしがたいが、生産の現場という意味での段ボール工場自体の被害も極めて甚大である。津波の直接被災地以外でも、東北・北関東一円で度重なる激震により建屋及び機械設備に大きな被害が生じており、更にユーザー工場の被害は、かつてのどんな地震被害と比べてもケタ外れの状況。これに福島原発の問題、計画停電問題が同時進行となっているため、段ボール生産全体の約4割を占める東北・関東圏の生産力が当面、相当の割合で減少することが避けられないと見られる。

さて、平成23年1月の段ボール生産を地域別に見ると、東北が前年比5.4%増と、中国地区の5.3増と並んで最も高い伸びを示している。この東北地区の動向を、需要部門別に見ると、とくに目につくのが電機・機械の前年比36.4%増で、東北は近年、先端技術分野の産業育成が順調に進んで、電機・機械の構成比が全需要の17%と、中部地区の18-19%に次ぐ高さとなっており、この分野がリーマン・ショック後の停滞を克服して、まさに次のステージに向けてスタートしたばかりのところだったといえる。

東北の需要部門別で最も高い構成比を示しているのはもちろん加工食品で34.4%。これには、三陸沿岸の海産物が大きなウェイトを占めるとみられる。そして、例えば関東は加工食品(今年1月)の43.6%に対して電機・機械が7.1%という割合であるのに対して、東北では加工食品の34.4%に対して電機・機械が16.7%というほぼ半分近い割合で、また10年前には食料品(加工食品・青果物・その他の食品)だけで62-63%を占めていたのが、近年はその比率が10ポイントも下がり、それにかわって電機・機械、その他(紙製品など)がウェイトを拡大しているという変化となっている。

需要部門別の全国動向に目を転じると、1月の加工食品は前年比2.8%増と、ほぼ全国生産並みの数字。需要の大黒柱は依然健在という印象である。また、前々年の大幅落ち込みから前年に8.7%増と急回復した電機・機械は、すっかり落ち着いた数字で2.9%増。また、薬品・化粧品も4.1%増と安定推移だが、近年頭打ちのつづく青果物が1月は4.2%減と引き続き不活発なままに推移している。

それに対して元気いっぱいなのが通販・宅急便で、前年の8.1%増につづいて1月が9.2%増、また加工食品に次ぐ2位のウェイトを持つその他(紙製品その他の需要)も9.2%増と堅調がつづいている。

東北関東大震災の影響は東北関東に止まらず、広く全国的な波及が避けられないと観測されている。しかし、最も甚大なダメージが東北・関東であることは明白で、既に産業界の一部に表面化しつつあるように、日常の生産の重心を東日本から中日本、或いは西日本に移動することで、まず最初の対応をという感触となってきている。
段ボールもそれにつれた動きとなってきそうだ。