特大


業界フラッシュ

ホーム > 業界フラッシュ > レンゴー、仙台工場修復を断念、新設へ

レンゴー、仙台工場修復を断念、新設へ 2011-04-15(第1076号)

大震災から1カ月、各産業界が蒙った被害の甚大さが一層強く浮かんでいる。段ボール工場では、レンゴー仙台工場と王子チヨダコンテナー仙台工場の2工場の津波被害が特に深刻で、レンゴーは同工場の再建を断念、4月8日、早急な再稼働をめざし宮城県黒川郡大和町の第一仙台北部中核工業団地内に新工場を建設すると発表した。雇用を確保するため従業員全員を近隣の他工場またはグループ会社に勤務地を移動し、新工場稼働時に全員が新工場勤務に集まる。また、営業はこれまで通り継続、客先への供給責任を果たす。

レンゴーの段ボール工場の被災はこのほか昨年完成稼働したばかりの福島矢吹工場の建物、設備の破損が伝えられたが、4月11日発表の震災第2報によれば3月22日修復を終え操業を再開。また、同工場に設置した大規模な太陽光発電設備は震災被害を受けなかったため、発電される電力の一部は東北電力を経由して周辺地域に供給している。

レンゴー子会社の丸三製紙(福島県南相馬市)は地震により建物、設備が破損する被害を受けたが、同地は福島第一原発から25kmの距離で屋内待避、自主避難が発令されているため、被害状況の立ち入り調査ができず詳細は不明。以上により、6月末まで操業を停止することを決めた。客先への製品供給については八潮工場、利根川製紙工場により万全の供給責任を果たすとしている。

丸三製紙と同様の事情にあるのが大王製紙の子会社いわき大王製紙。同社の発表によれば、3月11日の震災発生により操業を停止したが、3月16日の操業再開をめざし損傷した工場用水の給水管の復旧作業を進め3月15日に完了した。しかし、福島第一原子力発電所の放射能漏洩にともない、社員並びに家族の安全を確保すること、及びいわき市からの屋内待避の要請により操業再開を中止する。放射能漏洩による危険が回避され次第、操業開始の予定としている。

段ボール原紙の需給面から見ると、丸三製紙がライナー8万t、中芯16万t、合計年産24万t、いわき大王製紙はライナー年産30万t、両社を合わせると、ざっと55万tほどになる。平成22年の原紙需給は866万t。およそ全体の6.5%ほどの生産能力が当分使えない状況となる。

段ボール工場の被災では王子製紙グループが早くから情報を開示した。震災被害第2報によれば、王子チヨダコンテナー仙台工場が津波被害により操業停止しており、復旧の目処が立たない状況。このほか被災地域の工場は、王子チヨダ福島、仙台森紙業、常陸森紙業がそれぞれ設備被害で操業停止となったが、3月25日現在でいずれも操業再開となっている。

段ボール産業はユーザーあっての産業。当然、ユーザー産業の被災が最大の注目点である。鹿島臨海コンビナートの甚大被害にともなう消費財等への生産障害や農水産物の放射能被害、また、紙パックや飲料缶、瓶類、栓などの包装材や、インキ、接着剤といった副材料の不足によっても、最近発生している障害等々、不断に大きな関心を払いつづける必要がありそうだ。