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大震災3月動向、中部以西へ需要移動 2011-05-30(第1079号)

平成23年3月の段ボール生産が11億335万9千m2、前年比1.4%の減少と発表された。東北地区の段ボール生産は1月が5,565万m2(前年比5.4%増)、2月が5,983万m2(3.5%増)とそれぞれ全国平均の2.7%増を上回って順調な経過だったが、大震災で被災した3月には4,426万9千m2、前年比33.5%減少、同じく段ボール原紙の消費量も31.5%減少と、地域の月産規模が一挙に3分の1も縮小してしまうという、段ボール統計の記録上にかつてない甚大被害の記録を残すことになった。

大震災被害は東北ばかりではない。関東地区、特に北関東に立地するユーザー企業の被災状況も甚大で、いわゆるサプライ・チェーンの切断がいわれ、3月から4月、5月にかけて漸くその復旧が進んできた形となっている。このため、関東地区の段ボール生産は1月が前年比3.2%増、2月が3.5%増だったのに対して、3月は一転、4.2%減まで落ち込んでおり、関東地区の震災による打撃は、地域生産額の8%程度にまで達したことが見込まれる状況となっている。

東北・関東の工業生産の落ち込みをカバーするために、今後は中部・近畿・中国地区への生産肩代わりが進行するものと見られる。3月の段ボール生産統計だけではこの分析は難しいはずだが、中部は1月〜2月が2.2%増と2.1%増、それが3月に4.4%増に拡大、近畿は1月2.9%、2月4.4%が3月が5.9%増、中国は1月が5.3%増、2月6.5%増と順調だった上に、3月は8.5%増にまで上昇している。

工業生産のベースの問題だから、北海道には余り影響が及ばないのかも知れない。3月の北海道の段ボール生産は1.8%減に止まっている。北海道の臨海部自体が被災地という事情もある。それと、四国・九州は距離的に遠いという事情があるわけだが、それでも四国の1月が0.1%減、2月4.3%減に対して3月が1.9%増へ、九州も1月〜2月がマイナスに対して3月が3.7%増と一転、増加に変わっている。

サプライ・チェーンの回復が進んでも、もう一方に福島原発問題、電力需給問題が控えているから、3月にその一部を垣間見せた形の東北・関東からの生産の肩代わり、移動は4月以降も引き続き進展をつづけるに違いない。最近は特に国内への移転ばかりではなく海外の生産拠点の強化が戦略的に取り上げられる流れで、国内産業の段ボールの立場からすれば、正に憂慮すべき事態といわざるを得ない状況でもある。

さて、需要部門別の動向はどうか。3月にプラスだったのは、需要部門別統計表の右側半分の4項目、つまり陶磁器・ガラス製品・雑貨と通販・宅配・引越、その他、それに包装用以外の4項目となっている。中でも包装用以外は14.2%増で、被災地では特に段ボールの防災や仕切・軽便家具的な包装用以外の用途などにますます重用されるに違いないと思われる。需要部門別統計の左手には電気器具・機械器具、薬品・洗剤・化粧品、加工食品と需要の大宗を担う有力部門が並んでいる。サプライ・チェーンで大問題の電機・機械には自動車・家電の大物が顔を揃えている。そして、これが1〜2月の3%増から3月が2.5%減へと往復で5%ダウン。

薬品・化粧品も全く同じペース。それに最大需要の加工食品がマイナス3.5%減。飲料缶やペットボトル、栓などまで影響した。