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王子製紙が経営説明会 2011-06-15(第1080号)

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王子製紙では6月10日午後1時から本館会議室で経営企画本部加藤陽二郎副本部長が出席して記者会見、「経営説明会」を行った。説明資料は(1)2011年3月期決算の概要、(2)経営目標、(3)事業構造転換の進捗状況、(4)収益計画の4部構成に、<参考資料>を加えた31ページの大部で、「3月決算」には業界需要動向に始まって連結営業利益分析等、経営目標は目標と基本戦略、更に事業構造転換の進捗状況は中国・東南アジア事業を中心とする世界に向けた海外戦略の概要で、詳細な分析・説明が行われた。

「経営目標」は(1)営業利益1,000億円以上、(2)純利益500億円以上で、これは王子製紙の不動の目標に掲げられている。この目標を初めて打ち出した2004年度から昨2010年度までに、売上高構成は印刷情報メディアが36%から28%にダウン、代わって生活産業資材のウェイトが36%から44%へと8ポイント拡大した。そして、2013年度までには2010年度の海外売上高1,100億円、構成比10%を、中国事業のスタートする2011年度に1,500億、12%に、そして2015年度までにはおよそ3,000億、海外売上高比率20%を目標とするとしている。

2013年度には売上高構成比で26%に止まると予想される王子製紙本来の主事業「印刷情報メディア」部門は、国内需要の総量が05年の1,200万トンから10年までに1,000万トンを割り込む推移となっており、更に11年度には07年比で約20%減まで下がると日本製紙連合会では予想している。

こうした王子製紙本来の主要事業部門の国内需要縮小に対し、王子製紙は2008年度から2010年度までの3年間に旧式の抄紙機11台・塗工機3台を停止する一方、新マシン1台を新設、これにより生産量の減少分が約50万トン、また旧式設備の停止に伴う合理化効果が年間約150億円となっている。2011年度には更に印刷情報メディア部門で抄紙機1台を停止し、これに段ボール原紙抄紙機1台の停止を合わせて、この設備停止による合理化効果約50億円が見込まれている。

そして、上記の印刷情報メディア部門の国内需要減に対する王子製紙の生産能力の推移は、2011年度生産能力の07年度比で約23%減と、業界の一歩先を行く推移ともなっている。

こうした国内需要の減少に対する王子製紙の経営戦略が海外事業の積極展開。中核事業の江蘇王子(南通工場)が2010年末に第1期工事の抄紙機1台が完成、本格生産を開始しており、2013年にはKP設備が稼働予定で、一貫生産体制が完成となる。その先には更に抄紙機1台の増設が控えているわけだが、この南通計画を軸にした中国事業売上高は2010年度の110億から2011年度に300億、2013年度に500億を超え、2015年度には800億に達する予想。KP設備のフル装備+抄紙機2台の本来計画の達成時には、中国事業売上高目標が1,000億円、営業利益目標10%となるが、このほか2010年までに段ボール工場では大連三井森包装、青島王子包装、蘇州王子包装に秉信紙業、盛原企業が新たに加わり、製袋では王子製袋(青島)、王子包装(上海)、上海東王子包装の3社、さらに王子製紙ネピア蘇州、王子特殊紙上海、不織布の王子奇態紙業上海、王子物流と販売会社の王子製紙商易、昨年末設立の王子製紙国際貿易上海など、このほかに植林事業が加わる顔ぶれ。これらの事業統括のため中国事業本部(王子製紙管理)が上海に設立された。

海外売上高比率20%の達成には中国事業だけでは足りない。このため東南アジア地域の統轄本部として「王子アジア」を昨年10月設立、当面、M&Aを中心に2013年売上高600億を目指す。