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「人々の生活の何に役立つか」 2011-06-30(第1081号)

▼ごく最近、わが家を訪ねてきた若い知人が言いました。「ここに来るとき、いつものようにスタンドでスポーツ紙を買って電車で読みながら来たのですが、まわりを見たら、驚いたことに新聞を読んでいるのはボクだけなんです。若い人たちはほとんど全員がケータイを読んでいました。ボクと何年も違わないはずですが、どうなってるんでしょうか」。

▼王子製紙の経営説明会の報告にもあったが、活字離れというだけのことなのかどうか、「紙に印刷されたもの」を読む習慣が日本人全般からだんだん薄れてきていて、もうすでに「紙印刷に頼らない生活を始めている」人たちが、かなりの勢いで増えてきているようにも思われる。

▼その行動様式の特徴は片時もケータイを離さないことだろう。電車を待つ間も、ただじっと待っていない。ケータイに向かって常にうつむいた姿勢で、まわりの状況にはまるで無頓着な様子。電車が来て、座れたらそのまま、席がないなら片手は吊革を支えに、片手の指はケータイの画面をひょこひょこ器用にまさぐって、何かの作業を続けている。

▼電車のような閉鎖空間ばかりではない。自転車に乗りながらでも、歩きながらでも、結局は同じことのようである。これでは、製紙会社も安眠出来そうにないし、そういえば、新聞社も外部からはうかがえない内部的な現象として、何かいままでにない重大なことが起こっているのではないかと思わされる。日本経済新聞に続いて、朝日も朝日新聞デジタルをスタートさせたが、それにも上述の若者たちのとりわけ目立つ生活パターンとの関係がありそうである。

▼問題は、情報のデジタル化で、人々の生活の何に役立つかなのだろう。その点、段ボール専門紙の方が、幸い小宇宙の世界だけに、役割を見つけやすそうに思えている。