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段ボール5月生産速報4.0%増に 2011-06-30(第1081号)

平成23年4月の段ボール生産が11億8,730万6千m2、前年比1.1%の増加となった。3月11日の大震災にともない3月の東北地区が前年比33.5%減、4月22.9%減と大打撃が続いているが、3月に北関東地区ユーザーの、いわゆるサプライチェーン寸断による段ボール需要減で関東地区も3月は4.2%減となったが、4月にはサプライチェーンの急回復を反映して0.4%増に転換、最大需要地帯のこの流れから、全国生産も1.1%増まで回復、1〜4月の全国累計でも前年比1.1%増のプラスとなった。

経済産業省が6月29日発表した5月の段ボール生産速報は10億4,434万1千m2、前年比4.0%の増加。但し、前年5月の稼働日数が18日だったのに対して、今年5月は19日で1日多い反面、前年はリーマン・ショックからの回復が順調に進んでいた時期だったのに対して、今年5月は東日本大震災直後でサプライチェーンが寸断され、また電力供給不安もあって、日本国内の供給力が不全の状態に陥っていた時期。従って、従来方式の単純な調整の判断が困難だが、そういう経済環境の悪条件にもかかわらず4%増ということは、そのままいわゆるサプライチェーンの急速な回復など、復興需要始動への一番初期の段階でのあり様を反映したものとも判断される。

なお、5月速報では段ボール原紙の生産が1.2%増、紙器用板紙が3.0%増だが、ほかの製紙関係は製紙用パルプ10.4%減、新聞用紙10.2%減、非塗工印刷用紙6.1%減、塗工印刷用紙20.2%減、情報用紙12.4%減と、▲印がずらり並んだあとに包装用紙1.4%増、衛生用紙2.9%増となって、東日本大震災が製紙産業に如何に巨大な爪痕を残したかを示すものとなっている。

4月の地域別段ボール生産は、冒頭に述べた東北・関東のほか、中部が3.7%増、近畿2.9%とそれぞれ増加のあと、中国6.8%増、四国5.2%増、九州8.3%増となって、関東以西、それも大都市圏を離れた近畿以西の伸びが大きくなっている。これは当然予想されたことだが、今回の事態は電力問題が直接絡んでくるだけに、企業及び企業グループ間に電力疎開のような動きが表面化してきた印象ともいえる。

また、4月の需要部門別の動向を見ると、3月が電機・機械、薬品・洗剤・化粧品、加工食品、青果物、その他の食品、繊維製品と統計表の左側が全部マイナスに対して、右半分の陶磁器ガラス雑貨、通販宅配、その他、包装用以外がプラストいう極めて対照的な状況だったが、4月は電機機械と陶磁器ガラス雑貨の2項目だけがマイナスで、残る8項目が全部プラス。つまりこのところずっとマイナスが続いてきた青果物も前年の収穫期、11〜12月以来のプラスとなっている。電機機械は、前年の伸びが9.6%と、2ケタ近い推移だったのに対して、3月が2.5%減、4月3.5%減となっており、東北地区のサプライチェーンの寸断で一時危機的状況に陥った自動車、同部品産業の起伏がここに端的に示されているように思われる。

生産状況や需要環境などが大きな変動にさらされているにも関わらず、何事もなかったように変わらない指標が一つある。それが段ボール平均単価で、元になる生産量が1.1%増に対し売上高に当たるシート・ケース合計生産金額が99.9%。つまり実際は1%ほどマイナスだが、要は合理化の範囲となっている。