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ISOWAアイビス見学会 2011-06-30(第1081号)

伊藤衛社長伊藤衛社長

(株)ISOWAでは6月21日、愛知県日進市蟹甲町の(株)伊藤段ボール工業所日進工場に業界紙各社を招いて今年3月納入したフレキソグルア「アイビス」及びSF9シングルフェーサ(BF)の見学会を開催した。このアイビスはISOWAの製作ナンバーでは9号機、またSF9型シングルフェーサは202号機で、伊藤段ボール工業所では、このほか関東工場(栃木県野木町)に今年8月、ISOWA製マイクロフルート専用スリッターHSSZ及び生産管理装置IEM01も導入の予定で、実に10年振りの設備投資となっている。

これについて同社伊藤衛社長は次のように語った。
「株式会社伊藤段ボール工業所は昭和5年に創立した古い会社です。昨年、関係取引先を招いて創業80年を記念する会を開催しました。会社が古いということは、もちろん良いことも多いのですが、その反面で負の遺産も多いということです。私が社長に就任したのが10年前ですが、この10年前には、一方で原紙の値上げがたびたび行われ、われわれ段ボール会社はいつもそれに追いまくられる状態でしたし、一方では古いがために膨れ上がった体質の構造改善を進めなければならないということでしたが、最近ようやく色んな問題にメドがついて、落ち着いてきたという状況です。

以前は、業界中が年間130億m2を追いかけていましたし、私どももそうでした。しかし、それでは特に中小企業は成り立ちませんので、量より質への転換ということで、安売りの量を減らしました。コルゲータ2ラインで月産300万m2だったものを50万m2も減らしましたから、売り上げが大幅に減りましたが、その代わり収益は大きくアップしました。そういうように、状況が落ち着いてきたのを機会に老朽化した製函機械を10年ぶりに入れ替えて、製品の品質アップをする、それにはやはり地元が大事ですから、ISOWAさんに機械をお願いすると同時に、技術指導、それに社員教育の面でも力を貸していただくという方向で今後、進めて行くことにしたわけです。

地元でありながら、ISOWAさんとは、余りご縁がなかったのです。10年前の設備は私が決めました。しかし、その会社はもう無いんです。そういう反省にも立って、今回は現場の声や希望を主に選定を進めた結果として、アイビスとなりました。みんなの希望した最新鋭の機械が入ってきて、工場内の空気が一変しました」。

ISOWAが伊藤段ボール工業所に納入したフレキソフォルダグルア「アイビス」(開閉式)はユニット構成が「給紙+紙粉除去+印刷(3色)+クリーザーダブルスロッタ+ダイカッタ+フォルダーグルア+カウンターエジェクタ」で、最高生産速度が250枚/分、最大通紙寸法が1174×3045mm(10尺)、最小仕上がり寸法が280×785mmで、アイビスより一足早く2月に納入のSF9シングルフェーサ(BF)は最高生産速度が200m/分、最大通紙幅1800mmとなっている。

以下は磯輪英之ISOWA社長の「証言」である。
「ISOWAとしては、こんなに熱心に、頻繁にISOWAを訪ねてもらったのは伊藤さんの社員の方たちが何といってもダントツの一番ということになりました。人数が多いし、訪問頻度というか来られる回数が並みじゃないんです。最初にご注文をいただいてから、部品が出来て組立が始まり、それが日ごとに組み上がって行くわけですが、少し進行するごとに、沢山の方々がお見えになりました。それに、来られるのが直接機械に携わるオペレーターの方々ばかりではなくて、営業の方も頻繁にお見えになりました。しかも、アイビスが組み上がって完成品に近づくごとにボルテージが上がって、それは大変な盛り上がりでした」。

というように、アイビスは導入前から社員たちの間で大もてだったわけだが、それがいよいよ本年3月、老朽化したプリンタースロッターの撤去あとに据付を終わり、稼働を開始するとどうなったか、伊藤衛社長は次のように語った。

「10年間、設備投資を一切しない。量を売ることは安売りにつながるから量を売るのはやめる、数量より収益のある経営が大事だという方向に転換して、やってきましたから、従業員にとっては、ある意味では気勢の上がらない状況でずっと我慢していたということだったんですね。それが、見るからに最新鋭機のアイビスが動き出したら、誰いうともなく社員全員が自発的に1時間早く会社に出るようになって、その1時間で機械や工場内を綺麗に清掃して、磨くんです。会社の始業が朝の8時ですから、7時にはもう全員が揃って活動しているんです。驚きましたね。私は何も言っていないんです。どうも最初は専務が清掃のことをちょっと簡単に言ったらしいんですが、現場のオペレーターたちが誰言うとなく決めて、そうなったんです。アイビスは導入してまだ3カ月ですから、合理化効果という点ではまだ目標の線までは到達しておりません。しかし、毎月どんどんレベルアップしていますから、秋口ごろまでには確実に目標の線を越えてくると思います。そういう機械的な合理化効果だけではないんですね。社員間の士気、モラールの向上とか、団結心といった精神的な面での効果も非常に大きくて、その点でもISOWAさんに感謝しているわけです」。

(株)伊藤段ボール工業所日進工場にはコルゲータが2ラインとフレキソフォルダグルアが新旧合わせて2ライン、それにほかの製函機械という設備構成になっている。この2ラインのコルゲータについて訊ねると、伊藤衛社長は次のように語った。
「段ボール業界の他の会社と同じように、私どもも以前は月に300万m2の生産は必ずやるんだと、それを目標にしていましたが、それでは収益が出ない、量を減らしても利益の上がる方を選ぶという方向に転換したら、確かに収益が手許に残るようになりました。すると、コルゲータも定時稼働で済むようになって、2台までは要らんという状況なんです。ただ、せっかく2台あるのにそれを生かさなければ勿体ないですから、収益の上がる最善の稼働状況ということを考えて、いま現在は2ラインを交互に稼働させているということです。ただ、いま現在ではなく、今後の課題としてゆくゆくはコルゲータはワンラインの方向に行かざるを得ないかという考えは持っております」。

同社は、(株)伊藤段ボール関東(栃木)という関東工場を持っている。そこで、地元の愛知県と関東地区との収益事情について訊ねてみた。伊藤社長は次のように答えた。
「収益は関東の方がずっといいです。こちらはどちらかというと市場の空気がぎすぎすした感じですが、関東の工場はB段とE段の美粧段ボール中心ということもあるでしょうが、そういう中で当社の関東は有力なメーカー間のすき間市場ということではあっても、まだ余裕があります。市場全体の規模の大きさもあるのでしょうか」。

【会社概要】
▽商号=株式会社伊藤段ボール工業所▽代表取締役社長伊藤衛▽本社=名古屋市昭和区白金2丁目14番10号▽創業=1930年1月、設立1950年4月▽資本金5千万円▽年商21億円▽従業員60名
▽事業拠点=[日進工場]愛知県日進市蟹甲町家布35番地[土岐工場]岐阜県土岐市鶴里町柿野字小麦平良651—2▽グループ会社=(株)伊藤段ボール関東(野木工場=栃木県下都賀郡野木町大字野木142、年商11億円)、三和加工所(茨城県古河市諸川=2004年10月操業開始)
[沿革]
▽昭和5年1月、名古屋市高岳町に個人経営、伊藤紙器工業所を設立▽▽昭和9年、千種区高松町に移転▽昭和20年3月、戦災消失▽昭和23年3月、本社現在地に復興、段ボール専業となる▽昭和25年4月、組織変更し株式会社伊藤段ボール工業所と改称▽昭和38年3月、日進工場を新設▽昭和49年10月、土岐工場を新設▽昭和58年10月、(株)伊藤段ボール関東が操業開始▽昭和61年4月、本社社屋竣工▽平成12年10月、関連会社、ダンスク(株)設立▽平成13年7月、関連会社(株)イトウ物流設立▽平成14年3月、ISO9001/2000認証取得(日進・土岐両工場)。