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全段連セミナー 参加者合計330名に 2011-07-20(第1082号)

2010年の労働災害2010年の労働災害

全国段ボール工業組合連合会では7月15日〜16日の両日、大阪市福島区の「大阪リバーサイドホテル」で平成23年度「段ボールセミナー2011」を開催した。参加者は全段連会員会社、関連企業、報道関係を合わせて合計330名に達する盛況。第1日正午の全段連大澤勝弘副理事長による主催者挨拶に始まり、第1日が安全衛生委員会の部、第2日が技術委員会の部として会議が進められた。

わが国の産業界における安全活動は1912年に古河鉱業足尾鉱業所がアメリカで提唱されていた安全運動を見習って始めたのが嚆矢とされる。それ以来の100年と、段ボール産業の創始100年とを記念して今回は「安全運動100年記念」と名付けられた。ただし、段ボール各社の日々懸命な安全対策にもかかわらず、段ボール工場の労働災害の根絶は依然として遠い道のりのままに止まっており、2008年から2010年までの3年間の労働災害件数を見ても、2009年に初めて年間200件を割り込んだものの、2010年には死亡災害1件を含む休業災害72件、不休災害144件、合計216件と再び200件を上回り、かつ全度数率も4.92と前年を大きく上回る結果となっている。

段ボール工場の労働災害の最大特徴が「はさまれ・巻き込まれ」が依然として圧倒的に高い比率であること。この類型の発生頻度を年次別に見ても、08年が全体の47.4%、09年50.0%、10年51.9%となっていて、そのうちおよそ半分の割合が「機械を停止せずに処置」と「無理な姿勢・動作」とでほぼ半数を占める状況。しかし、企業側の懸命な努力にもかかわらず災害件数が期待されるほど減らない一方で、連続無災害事業所も年々増加し、また無災害記録の更新をどんどん続けている事業所が数多くあることも事実。

今回の安全セミナーでは連続20年の無災害記録を続ける王子チヨダコンテナー㈱つくば工場が最優秀工場として表彰され、また「全員参加による無災害7500日」の主題で同社の報告も行われたが、平成22年12月末現在の連続無災害事業所の優秀賞(5年以上)は次の40事業所となった。
▽王子チヨダコンテナーつくば20年▽日本紙工業犬山16年▽レンゴー旭川16年▽日南段ボール15年▽トーモク山形13年▽山田段ボール13年▽王子チヨダ埼玉12年▽関和12年▽中部紙業12年▽王子チヨダ防府11年▽福野段ボール本社11年▽サガシキ九州多久10年▽(以下9年)池下紙業▽鎌田段ボール工業秋田▽安川段ボール工業所▽和歌山王子コンテナー▽(8年)勝田紙業▽昭和包装工業犬山▽大和段ボール本社▽中央ダンボール▽レンゴー新潟▽(7年)伊藤段ボール工業所日進▽王子チヨダ熊本▽大阪紙器工業本社▽共栄紙工業▽三和紙工▽函平段ボール▽北海道森紙業千歳▽(6年)王子チヨダ釧路▽富士段ボール小田原▽(5年)市川紙器製作所▽伊藤段ボール関東野木▽王子チヨダ茨城▽協和ダンボール▽甲府紙器本社▽タカオカ▽東海紙器岡崎▽山下印刷紙器尼崎。

5年前から「安全衛生大会」と「技術セミナー」が合同して「全段連セミナー」と改称されるようになったが、今回は第1日に「安全衛生委員会の部」として活動報告及び研究発表と関連産業による新技術紹介が行われ、第2日が「技術委員会の部」として活動報告および各地区の研究発表が行われた。テーマは東部技術委員会が「原紙薄物化への対応」、中部が「段ボール印刷の現状」、西部が「製箱折曲げ精度の研究」、南部が「印刷工程におけるトラブルシューティング」で、それぞれ密度の高い研究成果の発表であった。

紙面の制約があるので、上述の四つの研究発表のうち、南部段ボール技術委員会の古賀良治技術委員が研究発表を行った「印刷工程におけるトラブルシューティング」の概要を以下に要約、お伝えする。

研究の趣旨は、まず下掲の縦長の図の一番上に表示されているように、段ボール産業においても団塊の世代が定年を迎える時代となり、世代交代が進んできている。このため南部技術委員会の委員の各社を対象に現在の人員構成についてのアンケート調査を行ったところ、経験年数が5年未満の人が全体の19%を占め、さらに5年以内に定年を迎える人が全体の7%という結果で、このため技術の継承をどうするか、その対策の必要性が大きく浮かんできている。

一方で、その下の図にある通り、工程別のクレームを調べると、印刷のクレームが40%を占めて、最大の問題点となっており、それでは印刷の何が問題かというと、汚れが26%、カスレが18%で、これだけで44%と、半分近いクレーム対象になっている。

つまり、製箱工程には、印刷機、ダイカッタ、グルアといった多くの機械があるわけだが、各機械ごとに様々な原因でクレームが発生する中でも、上述のように印刷工程での発生割合が特に大きいので、南部技術委員会は、経験が浅いオペレータでもカスレや汚れの発生状況から容易に原因と対策を認識して、対処できるようにするための「トラブルシューティング」表を作成することにした、という趣旨である。

その研究結果が別掲の4つの図表にまとめられている。まず右上がカスレによる印刷不具合内容の一覧表で、発生要因、判別する上での特徴、原因となった事項、その対策としてどういう処置を講じたらよいかを一覧にして表示している。しかも、これらのトラブルシューティングが目で見てどういう状態を示しているのかを理解させるために実物写真を添えてある。例えばカスレの表の1-1は見出し下の写真という具合である。

カスレと並んで大きなクレーム要因の汚れについても、同様に6つのパターンに分類して発生の要因とそれぞれの特徴、原因と、そして対策、解決方法を一覧表にまとめて示している。

更に、これをグラフ形式でまとめた図が左側の2枚目と3枚目の図である。実に細かな配慮の行き届いたトラブルシューティングで業界でも課題とされている「技術の継承」のテーマの上で、大きな示唆を与える研究発表だったようだ。

なお、この研究発表では次のようにまとめている。
【まとめ】
今回は、製箱工程における多くの品質トラブルの中から、印刷工程におけるカスレ、汚れのみをピックアップして、トラブルシューティング及び対策マニュアルを作成した。今後は、その他のクレームについてもできるだけ多くのデータを収集し、より実践的なものへ展開して行く。

この10年、製箱機械の技術の発展は目を見張るものがある。リードエッジフィーダー、チャンバーブレード、ワンステージカウンターなどの技術は製箱機の生産性、品質安定性を飛躍的に向上させ、職人的な巧みの技がなくても、高品質の製品を比較的容易に製造できるようになってきた。そして、これらの新しい機械を使いこなすのは、タッチパネルなどの、デジタルな操作に慣れた若い世代の方が得意である。

今回作成したトラブルシューティング、対策マニュアルが、このような時代における若い世代の一助になれば幸いである。