特大


業界フラッシュ

ホーム > 業界フラッシュ > 6月速報1.5%増に

6月速報1.5%増に 2011-07-30(第1083号)

平成23年5月の段ボール生産が10億4,005万m2、前年比3.4%の増加となった。2008年9月のリーマン・ショックとその後の世界的な需要縮小から、平成21年に大幅マイナス(08年比6.6%減)を記録したあと、平成22年は年初から回復軌道をたどり、月次では10月を除いて全て前年比増加、年間では3.5%増と、前年マイナス分のおよそ半分を回復した勘定。平成23年もその基調のままの推移だったが、東日本大震災の突発で3月が1.4%減。そして、4月が1.1%増、5月3.4%増の推移となった。

経済産業省が7月29日発表した6月度の段ボール生産速報は11億3,839万m2、前年比1.5%増となっている。5月は長期連休の関係でカレンダー効果が不明だが、6月は昨年も実働日数が同じ22日。但し、福島原発問題から節電の影響が今年は新たに浮かんでいるわけで、サプライチェーンの急回復の反面、電力事情によるマイナスもこの1.5%の中に織り込まれていると見てよいだろう。

全般的に、段ボール需要は大災害からの復興需要を予感させるような足跡を辿ってきているが、5月の地域別生産動向をみると、まず「東北」は3月の前年比70.5から4月が79.2、そして5月が90.5まで上昇した。毎月ほぼ10ポイントずつの上昇で、この回復速度は3月時点でのどんな予想をも上回るものとなっている。

他の地区では、北海道が昨年12月から今年4月まで5カ月連続で続いていたマイナスから5月に100.0まで戻った。リーマン・ショック以降の個人消費の不振が、「食」の面に最も大きく影響しているといわれるが、北海道は、その意味で最も象徴的な地域でもあって、近年の不況により大きなしわ寄せを蒙っていることが浮かんでいる。

3月の大震災によるサプライチェーンの寸断で、自動車、家電、食品をはじめとする主要産業に甚大な被害が生じた関東は、3月の98.0から4月は96.3とマイナス幅を広げたあと、5月に99.6と水面まであと一歩の水準まで戻った。サプライチェーンの劇的な回復、復活がそのまま段ボール生産にも反映された形となっている。

ところで、東北、関東の大震災による被災と電力事情から中部以西への需要のシフトが生じると当初見られていたものの、その予想が、東北電力、東京電力管内ばかりではなく、中部電力や関西電力の原子力発電所の停止の問題へと飛び火して、「中部以西への需要シフト」が、必ずしも理屈通りには進みそうもない状況に変わってきた。

ということで、企業は被災地の東北・北関東から脱出するのではなく、災害を機にむしろ生産拠点の強化の方向に動き、またトヨタ自動車のように東北を新たな主要生産地域に選択する方向も浮かんできている。というのも、東北方面はあと100年は今度のような大震災はないだろう。その点、地震国の日本では、巨大地震の次の想定地域が例えば南海とか東海とか様々な方面で取り沙汰されており、言い替えると「済んでしまった東北と阪神が一番安全」ということがあるかも知れない。