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23年上期は1.6%増 2011-08-30(第1085号)

平成23年6月の段ボール生産が11億3,979万5千m2、前年比1.7%の増加と発表された。これを加えた平成23年上期(1-6月)の合計段ボール生産量は63億8,870万2千m2、前年比1.6%増となった。3月11日の東日本大震災により東北から関東にかけての製造業がいわゆるサプライチェーンの寸断という大打撃を蒙り、かつ太平洋沿岸地域を中心に漁業・農業に壊滅的な被害が発生したにも関わらず、振り返って見れば段ボール生産は3月だけ1.4%のマイナスに落ち込む結果に止まった。

つづく7月の段ボール生産速報が8月31日、経済産業省から発表された。それによると、同月の段ボール生産は11億1,148万m2、前年比2.1%減、出荷は11億941万2千m2、同1.9%の減少となっている。これは主にカレンダー効果によるもの。つまり、平成23年7月の稼働日数(土日祭日を除く)は20日だったのに対して、前年7月は21日で、平日日数が1日少ない上に、福島原発事故に起因する電力制限令の発動で東北電力・東京電力管内ばかりではなく、中部電力・関西電力管内まで15%節減が課されることになったため、ほぼ全国的に生産面へのマイナスが加わった。それと、大震災後に来るべき電力不足に備えて、飲料関係や加工食品等の分野で夏期需要に対する繰り上げ生産もかなり多く見られたが、その繰り上げ生産の反動減が7月ごろに顕在化したと見られている。

とすると、本来のカレンダー効果(実働1日減)だけで4.7%ほどのマイナスが試算されるのに、上記の通り2.1%の減少に止まっているということは、それだけ生産回復への復旧努力が集中的に投入されたという意味であろうし、特に自動車産業関連をはじめとするサプライチェーン修復のスピードとその規模を推量させるに充分のものがあると見られる。

さて、3月以降の地域別の生産推移の中で、前回の本稿で東北地区の段ボール生産の回復力について触れた。その中で説明不足の点があったので、以下に補足したい。というのは、東北地区の2月の段ボール生産量は5,983万m2だったが、3月の大震災でこれが1,500万m2減少の4,400万m2、前年比で33.5%減となった。それが、4月、5月は1千万m2増で前年比では77%、91.8%という推移、そして7月にはさらに1,300万m2増えて、前年比90.9となっている。

段ボール統計月報の生産量は「生産と受入」の合計で示されている。つまり、他地区からの受入が増えたために前年比指数が大きく上昇したのではないかと推量されそうな事情だが、東北地区の5月の受入はわずか11万2千m2、6月は8万8千m2に止まっているというのが実情である。

次に、需要部門別には、3月の震災時に電機機械、薬品化粧品、食料品、繊維製品などの主要需要部門がみなマイナスに落ち込んだ中で、ガラス製品雑貨、通販宅配、その他(ティッシュほか)はマイナスどころか逆に増加している。このため1-6月の半期合計でみると、ガラス雑貨が3.2%増、通販宅配が9.0%増、その他が6.1%増と、プラス幅がかなり目立っている。

ただし、先に述べた主要需要部門は震災後も低調かというと、それは逆で、3月の震災で一旦は落ち込んだものの、以後は回復の一途で、電機機械は1-6月が0.1%増とプラス転換を果たし、薬品化粧品が3.9%増、加工食品3.2%増、ただし青果物だけが1.7%のマイナスという状況となっている。