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平成23年後半、需要上振れも 2011-09-30(第1087号)

平成23年7月の段ボール生産が11億1,081万m2、前年比2.5%減となった。これは3月の1.4%減以来のマイナスだが、景況が落ち込んだためではなく、いわゆるカレンダー効果。前年7月の実働日数が21日だったのに対して、今年7月が20日と1日少なかったためで、これを調整した実質では逆に2%程度のプラスが見込まれている。つづく8月の速報値が2.1%増と発表された。8月は逆に1日多いから、マイナスの計算だが、夏休みのほか、今年は電力問題があって、その判断が難しい事情となっている。

百年に一度とも、一千年に一度ともいうほどの惨禍を蒙ったにもかかわらず、段ボールの生産動向や3月以降の業況は数字的には、それをあまり感じさせない形で推移していると言ってもよいだろう。7月までの延べ生産量はおよそ75億m2で、前年比1.1%増。8月速報の2.1%増や、さらに段ボール原紙の値上げ、およびこれにともなう段ボール製品の値上げ問題が、折柄の需要期と復興需要への初期段階に加えて、需要の前倒し効果まで引き出すことを考えると、過去の前例からも、今年の年末需要期はこれまでの予想以上に伸び率が拡大してくる公算が強まったと言えるようである。

それと、まだ期待先行に止まっている復興需要が、目下、国会で審議中の予算措置の決定を経て2012年の年明け後にも姿を見せ始めることになるだろう。戦後の焼け跡に匹敵するような大損失からの復興となるから、近年にない国内需要が姿を現すことになりそうだし、今年後半からの景況の流れが、その方向につながってゆくとみられるようである。

今年の夏場は電力危機ということで、自動車産業をはじめ各産業界が変則休日制や変則勤務時間制で何とかやりくりして、しかも問題となったサプライチェーンを急速に復旧させ、自動車生産などは既に前年比増の段階と伝えられている。これを段ボール需要部門別の動向でみると、自動車・電機・機械を含む電気器具機械器具用は、先のリーマン・ショックからようやく立ち直って1月が3.3%増、2月3.2%増まで来たところで、3月の震災で2.3%減、4月が3.3%減とマイナス幅を拡大したあと、サプライチェーンの早期復旧で5月は0.3%減、6月が0.9%増まで浮上、そして7月が前記のようなカレンダー効果とみられる要因で2.5%減の推移になっている。

段ボールがないと製品の輸送が出来ないから、段ボールの生産(供給)がそのまま製品の荷動きの繁閑を表すことになる。平成23年1-7月の電機・機械むけの段ボール生産量は4億4千万m2で、これは前年比99.7、つまり0.3%のマイナスにとどまったことになる。大震災直後のあの生産現場の混乱から考えると、まさに奇跡としか言いようのない数字が目の前に現れてきているように思われるわけである。

それと、需要部門別にはサプライチェーンが寸断されてしまった自動車など電機・機械のマイナスはいわば成り行きとしても、全部で10項目に分類されている需要部門別には、もう一つ「青果物」だけが唯一、1-7月累計の前年比でマイナスで、薬品化粧品が3.4%増、加工食品2.4%増、雑貨2.4%増、通販宅急便8.7%増、その他需要5.5%増、包装用以外1.3%増などのほか、その他食品0.6%増、繊維製品0.9%増と、それぞれの広範な需要分野がすべてプラスになっていることにも驚かされる。

ということは、段ボールに関連しては、復興需要の先触れがもう始まっているのかも知れない。そういう成り行きのようである。