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8月概況、大震災を乗り越えて 2011-10-30(第1089号)

平成23年8月の段ボール生産が10億7,002万1千m2、前年同月比2.0%増と発表された。但し、今年8月の実働日数は23日で前年8月より1日多いため、これを調整するとマイナスの計算になる。そういうカレンダー効果以外に、今年夏は電力制限という過去にない危機的状況があって、その影響がすこぶる大きかった。従って、生産実数でプラスが出たということは、それほどの悪条件下でも段ボール需要が予想以上に堅調だったことのなによりの証左と見てよい。続く9月速報は前年比2.0%減、回復が小休止に。

まず注目されるのが需要部門別の動向。中でも大震災でサプライチェーンの寸断に見舞われ、生産が極度に落ち込んだ電気器具機械器具用(自動車・電機・機械)は1-2月の3%台の増加から、3月-4月が3%台のマイナス、さらに5月もマイナスが残ったが、6月にプラスに転じ、7月は数字上はマイナスながら今年の実働日数が1日少ないため実質では2%台のプラス、そして電力危機の8月も0.2%増という推移。生産、輸出とも持ち直してきたところに、10月後半、タイで洪水被害による工場閉鎖が相次ぐ事態となっており、今年は電機・自動車産業にはまさに大災難の年となっている。にもかかわらず、平成23年1-8月の累計では、リーマン・ショックからの回復・上昇期だった前年同期比で99.8。日本の製造業の爆発的な回復力が示されている。

薬品・洗剤・化粧品は特に問題なく順調そのもの。大震災の3月こそマイナスに落ち込んだが、5月に12%増、6月7.2%増と、季節の変わり目にはそれらしい需要の動きがあって、8月も6.0%増。1-8月の累計では3.7%増と他の需要部門以上に安定した状況になっている。

段ボール需要の大黒柱、加工食品も引き続き堅調。1-8月の累計が2.2%増で他の需要部門の伸び悩み分をカバーし続ける形だから、要は段ボール需要全体に占める加工食品のシェアが更に上昇するという結果で、平成22年の加工食品の全体に占める構成比が40.9%だったものが、23年1-8月には41.4%と、すでに0.5ポイントの上昇となっている。

青果物には久しぶりの朗報。8月の青果物向け投入量は8,451万9千m2、前年比で4.8%増となった。これは秋冬果実のみかん・りんご・かきが揃って出荷シーズンを迎える季節になったことと、特に最大需要のみかんが今年は表年(豊作年)で、前年比でいうと15%増(日園連)と期待される状況のため。加えて、今年は段ボール原紙の値上げ、及びこれにともなう段ボール値上げが実施されるため、発注全般に前倒しで繰り上がる流れとなっており、これが8月の4.8%増にも反映されたと見られる。因みに、前述の通り、加工食品の需要全体に占める構成比が23年1-8月の間に0.5ポイント上昇したことを述べたが、この間、マイナス続きだった青果物は逆に前年の構成比12.1から23年1-8月に11.6へと0.5ポイント、構成費を下げている。

つまり、食料品同士の間でシェアを交換している形で、言い替えると、加工食品のシェアが上がったことと、食料品以外の需要部門の構成比の変動は何もないということにもなる。

需要部門別のシェアが最も高いのが食料品で、加工食品・青果物・その他の食品を合わせた「食料品」の構成比は、23年8月時点で57.3%となる。この食料品に比べると、他の需要の構成比は唯一「その他」だけが16.2%と2ケタの構成比となっている。需要の中身は日用品主体の雑多な需要。1-8月は5.6%増となっている。