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「段古紙17円基準の安定市場を」 2011-12-19(第1092号)

▼「浮き草」という言葉は、文字通り河川や沼などに自生する葦などの水草類の茂みのことだが、本来の名詞が形容詞的に転用されて、定めなきこと、不安定な状態を表現する意味に使われることの方が多い。

▼段ボール産業は以前、その浮き草型の産業とみられることも多かった。というのも、原料基盤が古紙の上に構築された形だから、古紙自体の需給的・価格的に不安定な市場動向が直接、段ボール原紙と段ボール製品価格に投影されて、市況産業的な、変転常ならぬ状態に陥ることが常だったからだろう。それが最近、様子が変わった。

▼というのも、最大の原因であり背景は新しい製紙超大国、中国の出現。いまや、これまでのスーパー製紙国アメリカさえも生産量で追い越す勢いだが、アメリカが自国産の木材・チップ・パルプ・紙を主原料に生産しているのに対して、中国は世界中の、特に欧米先進国で発生する古紙を大量輸入して製紙産業を成り立たせている古紙依存国。そして、日本が同じアジアの隣国だから、日本で発生する古紙を中国と日本の製紙産業同士が奪い合う構図が見え始めて来た。

▼結局、「余り物に値なし」になり勝ちだった古紙の中でも、特に段ボール古紙はこの日中奪い合いの主戦場。たとえ下がっても、それは仮の姿。となると、段ボール産業も、そういう時代変化に対応して、時流にあった身仕舞いをしなければということになってきた。

▼今回の段ボール原紙と段ボールシート・ケースの値上げは、段ボール古紙価格をキロ17円に設定した価格。つまりこの線を下回ることも、上回ることも少ないはずという想定のもとに、3業界の三位一体の産業刷新が進むことになる。

▼実は、同じ原理でユーザーの段ボール調達自体が浮き草の上に乗っていた。それを、どう認識してもらえるかだろうか。