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大坪理事長「産業再生の総仕上げに」 2011-12-19(第1092号)

大坪理事長大坪理事長

全国段ボール工業組合連合会(大坪清理事長)では12月8日午後5時から東京・飯田橋の「ホテル・グランドパレス」で年末恒例の理事会終了後の記者懇談会を開催した。出席者は全段連正副理事長、理事、委員会委員長・副委員長、紙加労協役員及び報道関係の計40名ほど。開会冒頭の挨拶で、大坪理事長が大震災にもかかわらず段ボール生産が1%近い伸びを保っていることに注意を喚起、更に今回の段ボール原紙及び段ボールの値上げは、古紙を含めたこの産業界の再生への総仕上げであるとして、その意義を特に強く述べた。

大坪理事長の冒頭の挨拶要旨は次の通り。

『今年は本当に色んな事件があって、私自身も心の安まる日が無かった1年だったと思います。日ごろ業界紙の皆様には全段連を中心にした段ボール業界が大変お世話になっておりますが、引き続きよい記事を書いていただくことを切にお願い申し上げる次第です。特にいま現在、私ども古紙・板紙・段ボール業界、いわゆる三位一体の業界が、長期安定的なマーケットを築けるようにと、3業界が時を同じくして安定的な体制が作れるという方向へ向いておりますので、皆様にもそれなりにフェボラブル(好意的)な記事を書いていただくことを切にお願い申しあげて、冒頭の御礼の言葉にしたいと思います。

3月11日の大震災で当社の工場も幾つか被害があって、特に仙台工場は完全に壊滅状態で、作り変えることにしておりますが、私は大震災を機に日本の歴史というものを振り返ってみたいということで、色んな意味で考えているわけです。

今日の12月8日というのは、ちょうど70年前、ご存じの通り、世界への大戦に入っていった日です。ということで、日本の歴史が70年前に変わった後、昭和20年に、あのような格好で日本の敗戦となったわけですが、その敗戦のあと、日本がどういう風に回復してきたか、日本の力というのをいろいろ研究したわけであります。

それから、88年前の9月1日は、これまた関東大震災が起こった日です。今回の東日本大震災と88年前の関東大震災とを比べてみたいということで、私なりに関東大震災のことを調べてみたのですが、当時の東京の人々や、東京の新聞記者、東京の新聞社には9月1日の記録というものが全く残っていないんです。なぜなら、東京の新聞社が全て壊滅的な被災をして、記録に残せるようなものが無くなったということです。その9月1日の記録が残っているのは、実は大阪の支社でした。私は朝日新聞に非常に親しい方がいるので、大阪朝日新聞の記事を見せてもらったのですが、1923年、大正12年9月1日に号外が出ているんです。その号外には、東京に震災が起こった内容は一切書いてなくて、富士山が爆発したということで、鈴川駅がやられた、駿河湾がえらいことになっていると書いてあるんです。

号外の第1号がそれで、第2号も同じ様なもの。そして、9月2日の号外で初めて東京が大震災で被害を受けた、日銀が潰れた、新聞社の本社が潰れたという記事が出ました。東京がこの9月1日に完全にマヒして、大阪からの連絡も鈴川までしか着かなかったというのが事実でした。

そのあと3年で昭和になるわけですが、東京地区で本当に復興が急ピッチで出来たというのは、やはりそのとき強力なリーダーがいて都市計画を立て、ワーッと一斉に進めて、復興したわけですが、大正12年のそのときの日本の年間予算は15億円です。関東大震災で日本が使ったおカネは100億円です。15億円の国家予算に対して、100億円の規模で関東地区を再生させようということで、時のリーダー、政府がドーンとやれたんです。それで、いまの東京が復興しました。昭和通りなども当時の復興計画のおかげです。

それに比べ、いまの政権がいかに遅いか。いま日本の国家予算は92兆円です。第1次、第2次、第3次の20数兆円の予算を通すのに9カ月も掛かって漸くまとまりつつある状況です。当時の政府といまの対応とがいかに日本の政権リーダーが弱くなってきているか、というのが非常によく分かるように思います。

さらに、昭和20年に大戦に敗れた日本は広島・長崎が原爆で廃墟となり、日本全体が焼け野が原になりましたけれども、そのあとの日本の復興というのは、やはり時のリーダーが中心になって進め、それなりに復興への気構えを持ってやったために、遂には世界第2位の経済大国になれたということです。

そういう風な歴史を見てみますと、わが板紙、段ボール業界も、過去の歴史からいうと、いろいろ紆余曲折があって、大変な、惨めな状態になったこともありましたけれども、お陰様でこの10年間、それなりに体制が出来上がったということであります。今回、冒頭に申し上げました長期安定的な経済体制ができるようにということで、三位一体になって改革に取り組んでおりまして、今日の理事会でもそれなりに意見交換が出来ておりますので、皆様がたの書かれる記事というのも、それなりに影響してきますので、ぜひフェボラブルな記事を書いていただくことを、切にお願い申しあげたいと思います。

私はいま、業界あるいは経済団体のいろんなところで、スピーカーとして話せというようなことで、話しているわけですが、いま日本にとって一番必要なコンセプト、概念というのは何かというと、われわれが小さいころ、教えていただいた教育の中身も入ってくるんではないかと思います。「修身」という言葉があります。身を修めるという、この修身という学科が小学校にあって、小さいころ、身の整え方、身の修め方というのを習いました。

これは儒教の古典の四書の中の一つ、大学・中庸・論語・孟子の中の「大学」に出てくる言葉です。「物に本末あり。事に終始あり」、つまり物には根本と末端がある。事には終わりと始めがある。国を治むるにはまず家を整えよ。家を整える(斉家)には身を修めよ。身を修めるには心を正せ。心を正すには意を誠にせよ。これが野田総理が施政方針演説で言った「誠心誠意」の出所であります。「心を正すには意を誠にせよ」「意を誠にするには智に至れ」「智に至るには物をただせ」(格物)ということです。

だから、治国・斉家・修身・誠心誠意・智至・格物ということが重要という意味で、物事の在り方を極めて、本当に知恵を働かせることが大切ということを説いているわけです。

板紙、段ボール業界はいま産業刷新への最後の試合を行っているところです。これが間もなく出来上がってくると思いますが、この中で格物・智至・誠心誠意は既に出来上がっております。あとは修身と斉家、家を整えることが非常に重要ですから、これを進めると最後の治国・平天下に至ることになります。以上の業界の現状をどうかご理解下さいますよう、お願い申し上げる次第です』。