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レンゴー大坪社長が「中国事業も黒字に」と語る 2007-1-30(第972号)

レンゴー(株)では1月25日午後4時から東京・品川の東京本社で新春恒例の記者懇談会を開催した。当日は大坪清社長のほか、廣崎守正専務、肥塚照樹専務、安藝勲常務、岸本一輝常務、関俊秀常務、竹中淳常務、高嶋良昭常務、岡部幸夫常務、長谷川一郎常務、小澤善孝取締役、稲葉貴取締役、橋本研取締役ほか同社の各基軸事業管掌役員のオールスターキャストが勢揃い、新聞社は業界紙、経済紙、一般紙合わせて40名ほどの顔ぶれだった。以下、質疑応答で交わされた主な内容から要約、第3めんにもまたがってお伝えする。

冒頭の挨拶の中で、大坪社長は昨年4月から実施した同社の少子化・次世代支援対策、及び九月の上海包装技術センター開設に関連して、次のように述べた。

『既に一般紙で取り上げられましたけれども、レンゴーは少子化対策として先端を走って、第三子以降の出産に関して出産お祝い金百万円を支給することを決定、また、これまでの育児手当(第一子、第二子)についても4月に改訂、大幅なアップをしております。第三子以降はその育児手当とは別に祝い金を支給する制度です。その結果、昨年末までにレンゴーで15名の第三子以降の赤ちゃんが産まれております。うち14名が第三子、1名が第四子です。日本の将来に対する少子化対策を、企業としても鮮明に打ち出すことで、それなりに波及して行ければいいなと思っております。
また、多少赤字含みで推移していた中国の海外事業が完全に黒字化するメドが立ちました。それを一つのポイントに、上海包装技術センターを開設しました。中国の段ボール事業は毎年17%ぐらい伸びています。05年が250億m2、06年は290億m2の見込みです。レンゴーの中国の段ボール事業のシェアは1%強ですが、その中で天津・広東・無錫は赤字で推移しておりましたが、天津・広東は黒字に転換、新設工場の無錫も07年度で黒字化する見込みです』。

--古紙の問題についてお訊ねします。06年の中国の段ボール原紙の生産能力が2,163万トン、これが08年には2,810万トンとわずか2年間で約640万トン増加するといわれます。その他の白板紙、新聞用紙など各種の紙・板紙の増設も非常に活発ですし、既に新聞古紙価格は中国の市場価格でキロ17円ぐらいでしょうか、いずれは20円ぐらいまで上がる可能性があるということです。日本の国内でもDIP設備が3台稼働する予定ですし、新聞古紙に引きずられる形で段ボール古紙価格も上がるのではないかと、かなり厳しい見方が多いようです。

大坪 古紙の三品、段ボール・新聞・雑誌とある中で、新聞古紙については先行き非常に逼迫する可能性があります。従って、多少値上がりするかも知れないと私は思っております。
これは、なぜかといいますと、中国の需要もさることながら、日本国内のDIP設備、いわゆる原料転換を図りたいという希望があって、これは合成の誤謬じゃないですけれども、発生しているというところで、新聞古紙については今日現在、12円から2円あげて置き場で14円ということですけれども、これがいずれもう少し進むかなという感じです。

新聞古紙の場合は、中国に出た分が日本国内から出っぱなしになるということで、新聞古紙の総発生量と、総需要量の間にインバランスが起きるためです。ですから、総需要量が総発生量を上回ると、ショートサプライが起こる可能性があるということです。

ところが、一方、段ボール古紙については、私は前から言っているんですが、日本からアジア・中国をはじめ出ていった部分については、同じ量あるいはそれを上回る量が中に製品が入って日本に帰ってきているというところで、段ボール古紙の世界的な、グローバルなリサイクルがもう既に出来上がってきているということがあって、私は新聞古紙と段ボール古紙を一元的に見て行くのは間違いであると思っております。

ですから、新聞古紙はショートするかも知れませんが、段ボール古紙は、いつ如何なる時点においても、非常にバランスのとれた状態がつづくと思っております。同時に、新聞古紙の価格上昇につられて、段ボール古紙が同時に上がって行くということはないと考えております。

それから、雑誌については、これはいわゆる補填材になっているわけで、例えば白板のアンコに使う、あるいは段ボール原紙のアンコに使われるというふうなことで、これは新聞と段ボールという中で動いて行くので、新聞に引っ張られたときは新聞と同じように上がるかも知れません。

ところが、段ボール古紙の市況が安定すると、段ボールに引きずられるということで、その中間的な動きになると思っておりまして、たとえば段ボール古紙のいまの相場が置き場で平均10円50銭ですが、新聞が14円、それで雑誌はというと7円から8円です。これは一部、9円が出ているかも知れませんが、置き場でそういうことで、新聞が12円から14円になったからといって、雑誌が2円上がっているかというと、そうは上がっていません。1円止まりです。それはアンコであるからです。

ですから、総合的な結論からいうと、段ボール古紙については世界的なリサイクル、私のいう静脈物流で出来上がっているということで、そう心配する必要はありません。

--段ボールの平均単価でみると、平成18年に段ボールの値上げ活動が熱心に行われたにもかかわらず、統計的に見た平均単価はほとんど横ばいの状態からそう大きくは変わっておりません。この点について。

大坪 新価格体系への移行というのは大体8割だとさきほど肥塚君が申しておりますが、実際には、いわゆるプロダクト・ミックスといいますか、同じ製品でも薄物化が進んだりしておりまして、だから平米当たりの単価というものが本来ならもう少し、8割上がったら上がるべきでありますが、結果としては上がっていないという風なところで、ユーザーサイドでプロダクトミックスが起こっている、それから、サプライサイドもAフルートをCフルートに変えたり、あるいはCフルートではなく、Bフルートでよいという風なことで、品質をやや落としてでも、パッケージとして保つということであれば、それに変えて行こうという動きが出ている結果が、そういう現象になって現れているように思います。

一方、先ほどの8割というのは、いままでのベースで納入している部分について取引先と交渉の結果、8割方上がったということで、しかし、上がった8割の中で一体いくら上がったかというのは表現していませんですね。
本来なら、原紙価格が5円上がったら、3円数10銭は上げなければならんところを、8割の取引先が上がったけれども、その内容は実は3円数10銭ではなく、2円数10銭で止まっているというのがいま現在の状況という風に思っております。

それから、段ボール原紙と段ボール製品との違いというのは、段ボールは最終ユーザーのオーダーメード商品ですから、そう簡単に段ボール原紙のようなプラットフォームというのは出来ない。われわれが一生懸命努力しているわけですけれども、私が言っているセーフティネットというのはそういう意味で申し上げているわけです。

つい先日の全段連理事会でマタイ紙工の西村社長が皆さんに「今回、レンゴーに25%の資本参加をしてもらうことになりました」と挨拶されたんですが、その際に、私が最後に申し上げたことは、段ボール業界を本当に強くするためにはレンゴーの持っているノウハウ、レンゴーの持っている財力、レンゴーの持っている人材、これらを総合して利用してくれ。その利用するためのお互いの結びつきを持つためにセーフティネット、或いは出資をしていますと申し上げているわけで、会社を取ってしまおうとかいうことでは決してない。レンゴーが過去から進めている例えば朝日段ボール、あるいはヤマトヤ等々、色んな動きを見ていただいてもお分かりの通り、そこで経営しておられる方は、そのままずっと経営をつづけておられる。なおかつ、そのいままでのやり方ではうまく行かないということに対して、レンゴーが総合的なノウハウ、材料を利用するために、われわれが色んな意味でセーフティネットを提供しますと申し上げているんです。

ですから、今日、この理事会に出席しておられる方々も、ご希望があればどんどん来て下さいと、その場で申し上げておりますので段ボールのプラットフォームを本当に作ろうというのであれば、こういう事をもう少し進めなければいかん。例えば、王子が森をとかいうことだけではなしに、本当の意味の、レンゴーの言っている意味を、段ボール業界全体が取り入れてくれたら良いな、と思っております』。