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段ボール原紙と印刷用紙との温度差 2007-4-30(第978号)

▼王子製紙の平成19年3月期の決算が4月27日の記者会見で明らかにされた。予想通りの大幅減益で、売上高こそ森紙業グループ及び期中のスイス企業買収による555億円の増収でカバーされたものの、チップ価格の高騰で59億、古紙が99億、購入パルプ21億、重油47億、薬品その他73億のそれぞれ前期比の値上がりで合計299億の原燃料価格差が生じ、この結果、営業利益ベースで107億円、これと営業外損益のプラス41億を合わせても、経常利益で66億の減益決算となった。

▼王子製紙ばかりではなく、紙パルプ企業全体が原燃料費の高騰で同様の試練に立たされている。そして今年度、平成20年3月期も原燃料価格差でより厳しい経営環境が続くことになる。古紙価格はここにきて一段の国内価格上昇が生じており、一旦は小康状態だった重油価格も再び反転上昇に転じた感触。このため、王子製紙は、何の対応策も取らなければ、経常ベースで更に221億減少の420億までダウンすることになる。当然「全製品の値上げ」が打ち出されることになった。

▼段ボール業界にとって最大の関心事は「段ボール原紙はどうなるか」である。昨年4月からの段ボール原紙及び段ボール製品価格の値上げでは、段ボール原紙はほぼ100%浸透、段ボールシートもほぼ同様の100%浸透の形勢だが、段ボールケースではまだ大きな進展はない。

▼そうした段ボール関係の価格情勢に対して、昨年春と秋の2度行われた印刷用紙の値上げでは、連結決算への寄与度はわずか10億円前後という程度であって、段ボール原紙関連で王子板紙の収益状況が抜群の好調であるのとは、正に比べようもない状況となっている。

▼だから、全製品が対象とはいうものの、段ボール原紙と洋紙との間には自ずから温度差がある。そういう流れのようだ。