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王子三月決算発表、「段原紙の値上げ予定ない」 2007-4-30(第978号)

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王子製紙(株)では4月27日、平成19年3月期の連結決算をまとめ発表した。それによると、同期(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)の連結業績は、売上高が1兆2,657億3,500万円、前期比4.3%の増収となったものの、営業利益は631億8,600万円で14.5%の減益、経常利益が641億1千万円、9.3%の減益となり、この結果、当期純利益は171億5千万円、18.4%減と、前期の半減につづいて更に2割近い減益決算となった。連結経営成績の概況は、下記の通り。

決算発表の記者会見は四宮利勝執行役員経営管理本部長が出席して行われた。平成19年3月期の対前期比増減及び平成20年3月期(予想)の今期比の増減は別表の通りだが、今期の経常利益641億円が来期に420億円と更に大幅減少予想となる理由については減価償却制度の変更による償却増分80億円がこの中に含まれるため、従来会計方式での実力的にはほぼ500億円レベルとの表現だった。

また、平成19年3月期売上高の増減では518億円の増収だが、この中の紙加工製品事業の555億円がその全てで、これは昨年下期から連結決算に入った森紙業グループの売上高、及びスイス企業の買収による増収がほとんどとなっている。

次に、今年度(平成20年3月期)の売上高は1兆3千億円と343億円の増収予想だが、これは主に増販と昨年の印刷用紙の二度の値上げによる増収が年間フルに寄与してくることの予想で、現在検討中のこれからの値上げ分については、この表には一切含まれていない。すなわち、この表では平成20年度の価格を今年度横並びで算出しているが、営業利益は19年度の107億円減に続いて、20年度も182億円のマイナスとなる。

この05年度〜06年度の減益、及び06年度〜07年度の経常利益の増減益理由を項目別にまとめたのが下の減益内訳表。06年度の販売価格差による105億円の増収は、段ボール原紙・段ボール製品の4月からの同時値上げ、白板紙の6月からの値上げ、家庭用紙は10月から、そして、春と秋の印刷用紙の値上げ分は10億円ぐらいしかない状況で、十分な価格転嫁は行われていないことも明らかにされた。

一方で、原燃料費の上昇は止まるところを知らない状況。06年度299億円、07年度は更に318億円が見込まれ、これに対し人員削減、エネルギー費効率化などによるコストダウンが06年度171億円、07年度107億円と引きつづきコンスタントに進められているものの、原燃料費の上昇には到底追い付かず、07年度は更に減益幅が拡大するという見通しとなっている。因みに、07年度の販売・市況要因でのプラス178億円も、原燃料価格差のマイナス318億円も、価格水準は現状横ばいの計算で、要は月数の差となっている。

こうした厳しい経営環境に対し、王子製紙は、時期は未定だが、全製品を対象に近く値上げを実施するむね明らかにした。つまり、何の対応策も取らなければ上記の大幅減益が発生するという事情だが、これからの値上げについては、製品ごとに市場環境、原燃料費などのコスト環境がそれぞれ異なるものの、品種別には主に印刷用紙、家庭紙、段ボール製品等がメインとみられ、説明の中で「段ボール原紙値上げの予定はない」とのニュアンスが強く感じられた状況であった。