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待望の三%伸長へ/小ロット化で能力が限界 2006-02-28

平成17年12月の段ボール生産が、別表の通り12億1,303万4千平方m、前年同月比1.8%の増加と発表された。これを加えた同年1〜12月の合計生産量は137億2,393万6千平方m、前年比1.2%の増加となった。
前年は秋口から毎週連続10回もの台風に見舞われ、その影響が持ち越されたため、平成17年前半はやや不振だったが、夏場には猛暑、秋口以降も前年と打って変わって台風がゼロと天候に恵まれ、折柄の景気回復の流れが重なって、段ボール需要も漸く「2%台」の安定軌道にまで回復するに至っている。

平成17年の年間実績値が出揃ったので、関連表を全てまとめて掲載する。(PDF)

さて、12月単月の段ボール生産を地域別に見ると、九州地区だけが0.7%のマイナスとなったほかは、すべての地域がプラスで、かつ8月以降の連続5カ月増加が東北・関東・中部・近畿・四国の5地区と大勢を占め、中国は9月以降の4カ月連続、九州は8月以降連続プラスだったものの12月だけマイナス、そして最も回復が遅れている北海道も9月以降は10月を除いてプラスで、しかも、9月は4.2%増と大幅な伸びだったため、実質的には9月から連続プラスと見てよい状況で推移している。

つまり、8月以降は段ボール生産の”流れ”が急速に上向いて、業界の繁忙感も一挙に高まってきたことが確認される。

これを、平成16年から17年にかけての繁閑の度合に応じて、(1)平成16年1〜4月、(2)同5月〜12月、(3)平成17年1〜7月、(4)同8月〜12月に区切ると、「生産」の面では、(1)が前年同期比三・九%増と突出した伸びとなって、この時期が原紙値上げ、および難航する段ボール値上げの時期に重なったために、いわば”不幸中の幸い”というか、最悪の事態を回避する有力な手掛かりにもなったことが改めて思い出される。

このあと情勢が一転していわゆる”景気の踊り場”をさまようこととなる。

(2)から(3)の期間には、猛暑のような需要促進要素と自然災害のマイナス要素が交互に訪れて、そのつどアップダウンが繰り返されたわけだが、しかし、(4)までの経過をみると、基調は大きくはGDPの推移のままに一進一退を繰り返してきた形で、この(4)の期間を境に景気が一層の加速段階に入ってきたことが再確認される状況となっている。

特に注目されるのが「地域別シート出荷推移」である。
この「合計」は、シート出荷先、つまりボックスメーカーの状況を反映するものだから、段ボールメーカー(シートメーカー)の段ボール箱一貫生産の「消費」と対比することが可能だが、(1)にはボックスメーカーが2.6%増に対して一貫メーカーは4.2%増と、出荷が1.6ポイント少なかったのに比べて、(2)の時期は、その差が3.6ポイントまで拡大、ボックスメーカーにとっての最悪の事態となっていた。

背景としては、シート価格の上昇に伴う競争力の低下、それと自然災害が一貫メーカー以上に需要確保の面でマイナスに働いたことと、更には続出した製函企業の休廃業によるシェア低下等があったとみられる。

しかし、(3)の平成17年前半までに、ボックスメーカーがすっかり立ち直ってきた。
一貫との差は0.9ポイントまで縮小、そして、昨年8月以降は逆に一貫に対し0.3ポイントの差を付けるまでに至っている。

段ボール統計上の法則として、本稿でもたびたび指摘しているところだが、景気の下降局面では、出荷、つまりボックスメーカーの戦力がより大きく低下し、景気上昇局面では逆に出荷が消費をより大きく上回る伸びを示すことが、この(4)の期間に再び顕現されたということになる。

では、なぜ景気上昇期になるとボックスメーカーの仕事が一貫生産以上に増えるのだろうか。これは、最近の事情と、昨年までの事情を比較すれば、不思議でも何でもないことが分かるはずである。

最近10数年、不景気で、一貫メーカーが以前は下請に出していた仕事まで自社内に取り込んだため、下請企業が淘汰された。
また永年、設備投資をしないから過剰能力が縮小、その上に従業員数が絞り込まれ、特に小ロット化がクレージーなほどにまで進んだため、完全に能力限界にきたところに、平成17年後半は景気回復で仕事量が2%以上拡大したから、まだ余力のあるボックスメーカーに向けて需要がオーバーフローし始めたということである。

そういう需給状況で、平成18年には景気の本格回復を受けて、段ボール需要が待望の「3%台」の軌道に乗る。2%と3%の違いが、ただの1%ではないことがいずれ明らかになる。三度目の正直。段ボール値上げの浸透も必至と思われる。