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海外進出気運盛り上がるか 2007-05-15(第979号)

▼日本の紙パルプ産業界全般に閉塞感が強まっている。その中の一部である段ボール産業も例外ではないが、紙・板紙とも国内市場の成熟化が進んで、需要は最近何年も頭打ちのまま。一方でエネルギー多消費型の典型だから、まず原油の値上がりが手痛い打撃となっているほか、原料そのものである古紙が、中国市場の過熱にあおられてじわじわ上昇の一途。

▼そういう中で、経済産業省が業界関係者及び学識経験者に委託して行った「日本の紙パルプ産業の持続的成長に向けて」と題する調査資料がまとまった。結論は、「海外進出のすすめ」ということだろうか。国内市場の成長は望めない。だが、日本のすぐ近隣にめざましく伸びるアジア市場がある。また、アメリカ、ヨーロッパもチャンスが全くないわけではないということであろう。

▼段ボール産業自体が不活発だが、しかし、展望は必ずしも悪くはない。永年の宿弊だった価格下落が完全に止まって、非常に緩やかながらも上向きに推移している。多くは望めないにしても、1%でも2%でも数量が増えれば、それがそのまま収益の改善に寄与してくるという見通しもある。

▼ところが、洋紙の場合は、今年から明年にかけてそれぞれ高性能な高級印刷用紙マシンが4台、相次いで稼動する。製紙メーカーはこのところの原燃料高で収益がすっかり落ち込んでいるから、洋紙を中心に全品種値上げという情勢だが、新マシンがどんどん動き出すのに、一方で値上げが市場にすんなり受け入れられるかどうか、かなり難しい問題となっている。

▼段ボール関連企業のかなり多くが、既に、ユーザーの海外進出に随伴して、主に中国をはじめとするアジア地区に進出している。そういう流れがこれから海外に積極攻勢をかける製紙メーカーのお陰で、ますます気運を盛り上げそうである。