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全段連総会 新理事長に大坪レンゴー社長 2007-05-25(第980号)

全段連では5月21日、平成19年度定時総会並びに理事会を開催、任期満了に伴う役員改選を諮った結果、新理事長に大坪清レンゴー社長が選任され、第一副理事長に大澤勝弘浅野段ボール社長、第二副理事長に斎藤英男トーモク社長、第三副理事長に藤井宏樹中央印刷紙工会長を選任、更に東段工から福野晃二前全段連理事長、中段工から飯田真之ダイナパック社長、西段工から西坊義博日本紙器社長及び勝谷邦昭森紙業社長そして、南段工から石田隆王子チヨダコンテナー社長と計8名の副理事長が選任され、それぞれ就任した。

当日の記者会見では、まず福野晃二前理事長が次のように退任挨拶を行った。

『私は前の全段連の理事長として2期4年、新全段連で1期2年、合わせて6年間、全段連理事長をつとめさせていただきました。今回退任して大坪新理事長にバトンタッチしたわけですが、組織が統合し融合するということはなかなか難しいのでありますが、ようやくここに来て、みんな行く方向が一緒になったのかなと感じております。
新しい全段連のこの2年間というのは、弓をぐっと引き絞ったような状況の2年だったのではないかと思います。この弓を引き絞って、やがて放すことになりますが、もうあとひと絞りして、機を見て放てば、きっとマトの真ん中につき刺さるのではないかという風に期待しております。
そのために、この2年がそれなりの効果があったのではないかと考えております。これからも、なかなか難しい状況が続いておりますが、今後も副理事長として、新しい全段連、新理事長を少しでも盛り立てて行きたいと思っております。6年間、本当に有難うございました。今後ともよろしくお願いいたします』。

次いで、新理事長に就任したレンゴー大坪社長が次のように述べた。

『今回、全段連理事の皆様がた全員のご推薦で理事長にということで、お引き受けしました。この全段連というのは、先ほど福野さんからもお話がありましたけれども、非常に長い歴史を持っております。業界全体として極めて有意義な団体であろうと思いますけれど、一昨年、全段連と日段工が一緒になって、より強固な段ボール事業の組織を作ろうということで発足して、2年経ったわけであります。けれども、段ボール事業そのものが、日本の経済界においてもともと地位の向上というスローガンを掲げてきたわけですけれども、果たして本当に強い状況になってきたのか、どうかということについては、いささかの問題点もあるやに感じております。

今回、全段連理事長をお引き受けすることになった限りは、本当の意味の段ボール事業を営んでいる企業が、日本の経済界においてそれなりのゆとりのある企業になって行けるようなことを、ある程度指導できる事業者組合でなければならないのではないかと思っているわけです。

こういう経済団体、あるいは事業組合ということになりますと、それに属している各事業会社、あるいは企業には、それなりの行動基準というのがあるわけですが、例えば、経団連や日経連でも、行動基準というのをはっきり決めていて、その大前提は何かというとその団体に属している企業は、公正な競争のもとに適正な利潤を確保する、その確保した利潤をもって社会に貢献するというのが日経連の第1条です。第2項、第3項には、例えば環境対策についてはこうしましょう、国際事業活動もやって行きましょう等々、色んなことがあるわけですけれども、大前提は公正な競争のもとに適正な利潤というのが、われわれ経済界にとって絶対に必要なことであります。

ただいまの、段ボール事業を営んでいる各企業が、本当の意味の適正な利潤を確保しているのかどうかということについては、これはいささか疑問なわけでありまして、このせっかく出来上がっている全段連という日本における最高の段ボール事業会社の団体が、そういう方向に向かって、ある程度指導できるような立場を作って行けたら良いなと思っております。
私は実は5月から関西生産性本部の会長も引き受けているわけでありまして、社会生産性本部は、いま東京は牛尾さんがやっておられますけれども、その牛尾さんの関西版を私が引き受けて、牛尾さんと色々連絡を取りながらやるわけでありますけれども、この全段連の平成19年度の行動基準の選定としても、生産性の向上というのがあるわけです。それで、果たして生産性とは何かということですが、各企業が本当に生産性だけを向上するということを文字通り追求した場合、公正な競争と適正な利潤ということが、果たしてどういうところに行き着くかということであります。

その生産性とは一体何かということも、業界全体、この全段連に属している各企業の方々に本当に分かっていただきたいと思っておりまして、そういう意味での講演なんかもしていきたいと思っております。生産性というのは、非常に精神的な面があります。関西では生産性向上には三原則があって、一つは改善魂、それから労使の協調、それと経営品質の向上と、この三つが大前提になって具体的なことを決めているわけですが、全段連の組織においても、いま一番必要になってきているのは、経営品質を如何に向上して行くかで、この全段連に属している各企業に最も必要なことだと思っております。

経営品質の向上に向かって努力する、そういう環境づくりも、全段連理事長としてやって行けたらいいなと思っております。

新聞紙上でよく見かける「ワーキング・プア」という言葉があります。この段ボール事業、あるいは全段連メンバーは、本当に皆さん、よく働くんです。だけど、いわゆるワーキング・プアになっていないか、ワーキング・リッチとはいいませんけれども、リーズナブルな利潤が得られるような、本当の経済事業者団体になれるように努力して行きたいと思っております。
就任に当たって、そういうことを皆様方に申し上げて、就任のご挨拶にかえたいと思います』。

質疑応答の時間に入って記者側からの質問に大坪理事長、斎藤副理事長が次のように答えた。

--ここに来て、川上の段ボール原紙部門が、古紙原料の高騰で経営の厳しいところが出てきているように聞いております。そういう問題に対して、段ボール業界としてどういうスタンスで臨まれているのかという点について。

[大坪] これは理想論で、そうは行かないだろうけれども、まあ、そういう方向で考えてみたいと思うことがあります。それは何かといいますと、いままで、段ボール業界というのは、段ボール原紙価格が動かないことには、段ボールの製品価格は動かないということをずっと言い続けていたんですが、私は、段ボール原紙業界、段ボール業界、段ボール古紙業界をずっと見ていて、段ボール業界がリーダーシップをとって、いわゆる付加価値の創造というか、それをもう一度見直すべき時期が来ているんじゃないかと思っています。

これまた、純経済理論的なことをいうようなことですが、要するに経済活動というのは、財貨とサービスを生み出すことが原点ですが、しからば、この段ボール産業というのは一体どうなっているのかというと、財貨とサービスの中の財貨というのは原紙を加工することで、物作りですが、ではサービスとは何かというと、段ボール産業の付加価値は、私はサービスの方が非常に大きいと思います。
つまり、それを正当な付加価値として、正当なリターンを求めなければならない部分だと思っています。

というところに行き着くので、原紙価格がどうあろうと、要するにコルゲータに原紙が掛かって、そこで必要な付加価値、つまりどれくらいのものが正当であるのか、それで出来上がったシートは、再び加工・印刷・製函という風に回ったときに、その加工賃、これは付加価値ですが、これはどれぐらいが正当なものなのかという風なことを、今一度、業界全体で見直すべき時期に来ているという風に思います。

幸い、今回は、この両サイドにお並びの副理事長さん方が非常に強力なスタッフで、一致協力していただけるということですから、私はまさに段ボール業界がリーダーシップをとって、新しい形の付加価値を生み出す方向を探って行きたいと考えております。例えば原紙価格が幾らに動こうが、多少動いても、それは逆に段ボール業界で吸収できるかも知れないというぐらいの付加価値を求めることを、この全段連を中心にやって行けたらいいなと思っております。

これには非常に難しい問題があるかも知れません。そういう風な、まあ段ボール業界の一種の方向転換ですが、昔はそうだったんです。多分、ここにいらっしゃる中で、それを経験されたのは西坊さんがまだボックスメーカーで、コルゲータを持っていないころに、そういうことを経験されたかも知れません。
それぐらい、段ボール業界が製紙業界をリードするという風な状況があったわけですが、いまはそれがすっかり逆転しております。

そういう風なことが出来たらいいなと思っておりますので、古紙価格は更に上がるでしょうけれども、本当に合理化・効率化・リストラをやっていない製紙メーカーは、このままで行けば赤字になるでしょう。しかし、それはそれとして、段ボール業界は原紙価格の動向を先読みしてでも、ある程度、そういう新しい付加価値を求めた段ボール業界を作り上げられたら良いなと考えております。

--同じ質問を斎藤副理事長に。

[斎藤] やはり、極めて悪い状況であることは間違いないです。前から言っているんですが、やはり外圧でしか動けないような業界では情けない。みずから、自分たちの内圧で、自分たちの意識で動くような業界でないとまずいということですから、これをしっかり作ってやらなければならないと思います。

いまの業界のこんな状況では、貧すれば鈍するといういうな形で、やはりまずいわけで、この業界団体の中でも東段工は一番古くて今年が51年目なんです。全段連などは38年ぐらいですが、まあ、いずれにしても、50年の節目にあるわけですから、やはり業界組織も変わって行かなければまずいだろうと思います。

それも、やはり自分たち自らで変えるしかないわけで、いま言われたような形で、外圧がどうだろうと、むしろクッションになってあげるぐらいの余裕を持つということが必要だと思います。残念ながら、先ほどいわれたような、そういう状況でなくなったというのは、自分たちでそうしてきたわけで、ただ、そう簡単に出来るわけではありませんので、やる以上は本当に志を一つにして、本腰を入れてやって行く以外にないと考えております。

【全段連新役員名簿】(敬称略)
全段連では5月21日開催の定時総会で左記の新年度役員を選任、それぞれ就任した。(理事長・副理事長以外は50音順)
▽理事長大坪清(レンゴー(株)社長)▽副理事長齋藤英男((株)トーモク)福野晃二(福野段ボール工業(株))大澤勝弘(浅野段ボール(株))飯田真之(ダイナパック(株))西坊義博(日本紙器(株))勝谷邦昭(森紙業(株))藤井宏樹(中央印刷紙工(株))石田隆(王子チヨダコンテナー(株))▽専務理事山田晴康(全段連事務局)
[東段工関係]▽理事=黒崎素弘(東京コンテナ工業(株))坂本睦子(富士段ボール(株))内藤博行(日本トーカンパッケージ(株))南谷宜良(山田ダンボール(株))平岡利章(興亜紙業(株))村瀬行弘(旭段ボール(株))宇都木政徳(東段工事務局)▽監事=鎌田卓也(鎌田段ボール工業(株))
[中段工関係]▽理事=神谷修(刈谷紙器(株))高木良直(協和ダンボール(株))高橋秀治(日本紙工(株))平児之夫(函平段ボール(株))小嶋英輔(中段工事務局)▽監事=田治見明信(中央ダンボール(株))
[西段工関係]▽理事=井川英二(キンキダンボール(株))岩本英昭(セッツカートン(株))大津晴一(三協段ボール(株))樽谷清孝(タルタニパック(株))田口孝夫(西段工事務局)
[南段工関係]▽理事=山村茂雄(九州ダンボール(株))