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「段ボール関連全品種値上げ」 2007-07-25(第986号)

▼いまの製紙産業や、段ボール産業の環境を説明する言葉として、誰にでも理解が得られそうな適切なものはないかと色々考えてみた。無い知恵を絞って一つだけ思い付いた。「静かなるオイル・ショック」である。

▼われわれの経験した前後2回のオイルショックつまり1973年(昭和48年)の第一次石油危機および1979年(昭和54年)の第2次石油危機は、双方とも、はなはだ荒々しい様相のものであった。といっても、79年の第二次石油危機ですら28年前の出来事だから、いまの現役世代の人々の大半にとって全く記憶のない事柄のはずである。

▼何が起こったかについては、本紙ホームページ「歴史の証言」をお読みいただくと、多分ご参考になると思われますが、当時は「まず最初に不況ありき」で、段ボール産業では、基幹部門の原紙が不況カルテルを組むほどの困難と、同様に段ボール加工部門の収益が極端に落ち込んだ状況が懐胎期間としてあり、次に(1)原油、重油価格急騰、(2)米国の住宅不況に伴う木材チップ発生減によるチップ価格高騰、(3)古紙需給の逼迫・高騰と、以上の三条件が全て揃った状況下で「ある日突然」のように発生している。

▼当時と、いまとの一番の大きな違いは、IT情報化革命によって情報が瞬時に伝わることもある。だから、イラクやパレスチナのような、中東の戦争が現に進行中でも、過去30年間、第三次ショックが押さえ込まれ、無事に過ぎてきたように見える。ただ、以前と社会情勢や環境・背景等は多少違っても、今年春から上記の三条件がピッタリ出揃い、しかも先行きかなり長期的に解決、緩和の見通しが全く立たないことが明白になっている。

▼引き金は「解決の見通しが立たないこと」。だから、こんどのケース値上げは、むしろ需給逼迫のようなムードで全面浸透するとみられている。