特大


海外取材報告

パリ、ブダペスト、ロンドン

ドナパック社

上:トランスファーラインとストックヤード 下:給紙はマニュアルハンドリングで 上:チャドヴィック製のプレプリント印刷機 下:工場内はいかにも製紙工場らしい雰囲気

「三菱重工コルゲーテッド98視察団」一行40名は、ブダペスト到着の翌5月28日朝、最初の工場視察先「DUNAPACK」社を訪れた。ハンガリー最大の段ボール原紙・段ボール一貫生産会社で、既報の通り、同国の段ボール生産の68%のシェアを握るトップ企業。訪問先の同社チャペル工場は現在、従来の同じ構内にあった第二工場の設備の集約・移動、工場レイアウト変更など、抜本的な改修工事中だったが、そうした中、非常な歓迎ぶりで、結局、午前中の予定時間も大幅に越える充実した視察内容であった。

コルゲーテッド98の最大の特徴は、先述の通り、三菱重工が数年前、世界に先駆けて開発したベルトプレス方式が、シングルフェーサの技術革新ブームを巻き起こし、世界の主要コルゲータメーカーの7社までが、プレスロール方式からの転換を目指す新しいシングルフェーサを展示したことである。

一方、三菱視察団が今回の訪欧で訪れた段ボール2工場の三菱製コルゲータの主要ユニット構成は、次のようになっている。
【ドナパック社】
▽H265-2500型▽構成=60G×1/50C/57G/ΣX
【アッシードーマン社】
▽H300-2200型▽構成=60G×2/55C/57G/58G/ΣX

三菱重工のこのコルゲータユニットの記号はいわば専門用語だから、一応解説しておく必要があろう。2ケタの最初の5とか6は開発の世代、第5/第6世代の意味である。問題は2ケタの後ろの数字。これはコルゲータのユニットを0~9の工程順に、0=シングルフェーサ、1=プレヒータ、2=プレコンディショナ、3=ミルロールスタンド、4=ブリッジ、5=グルーマシン、6=ダブルフェーサ、7=スリッタスコアラ、8=カットオフ、9=スタッカを表す符号である。

だから、ドナパック社には第6世代、Gタイプのシングルフェーサ60G(ベルトプレス・段ロールカセットロールアウト式)1台と、第5世代のフィンガレスシングルフェーサ50C1台、薄刃高速のオートスリッタスコアラ57G、及びΣX生産管理システムを装備。また、アッシードーマン社は60Gが2台に加えて、55Cグルーマシン、58Gカットオフも装備という状況。

両社とも95年の導入。そして、60Gシングルフェーサに限ると、三菱重工の平成8年(96年)2月末現在及び平成10年3月末現在の納入実績は次の状況(稼働中・製作中の合計台数)となっている。
□平成8年2月末60G/50G=国内31台、輸出61台、計92台
□平成10年3月末60G=国内64台、輸出98台、計162台

ドナパック社の60Gも、アッシードーマン社の60G×2台も、上記の平成8年までの輸出61台の中に入っている。そして、以後の2年間、24カ月の間に差し引き37台、つまり月間1.5台の割合で、60Gベルトプレス・シングルフェーサが主に欧米の段ボール工場に設置されたことになる。

「コルゲーテッド98」の最大の特徴が、シングルフェーサの技術革新が焦点だったというのは、ドナパック社・アッシー社にも関連づけて言うと、以上がその背景と思われる。

ドナパック社では、まず会議室で最初にアンドラス・ボロシュ氏(段ボールディビジョン担当ディレクター)が次のように歓迎挨拶ののち、役員会議のため退席、製造担当ディレクターのカローリー・オルトさんが終始、会社概要の説明から工場案内、質疑に答えるなど、一行に応対した。

▽ボロシュ氏の話
『本日は、はるばる遠い日本から私どもの工場へ、ようこそお越し下さいました。
皆様のご訪問を大変光栄に存じます。私どもも、ここにおられるメンジーさんのお陰で日本を訪問したことがありますが、その際、日本のいろんな工場を見学して、研修することが出来ました。
私どもは、日本で非常に暖かい歓迎を受けましたので、その記憶が今なお鮮明に残っております。日本でお目にかかった方々は、みな親切で暖かい方々ばかりでした。その方々にお別れして、ハンガリーに帰国する際、私どもは、今日の皆さんのように、もし機会があれば、ぜひわれわれの工場にも見学においで下さいと、お別れの言葉として申し上げました。
そして本日、その言葉通りのことが実現して、非常に嬉しく思っている次第です。皆さんへのご説明、ご案内は、ここにおります製造担当ディレクターのオルトがいたします。どうぞ十分お役に立つよう工場のご見学をいただき、何なりと遠慮なくお訊ね下さい。
簡単に私どもの会社のご説明をしますと、ドナパック社は三つのディビジョンから成り、ベースとなる段ボール原紙のディビジョンと、それから段ボール箱を作る二つのディビジョンがあり、そのうちの一つを私が担当しております。
段ボール工場は二つで、一つがこのチャペル工場、もう一つは60キロ南にあります。そのほか、機械設備や生産状況などの詳細については、後ほど説明があるかと思います。
実は私は、このあと役員会を控えておりまして、残念ですが、すぐ失礼しなければなりません。
今日は、皆さんには歓迎の御挨拶しかできないことをお許し下さい。では、どうぞお話を進めて下さい』。