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2002年レンゴー上海記者会見

2002-11-15(第861号) レンゴー中国事業統括室・上海事務所開設で記者会見

レンゴー(株)では中国事業統括室・上海事務所の開設を機に、11月7日、業界新聞社16社を上海に招いて上海聯合包装装黄有限公司の段ボール工場見学会を行い、そのあと午後4時半から上海花園飯店で記者会見、引き続き現地の提携先および納入先などの関係者およそ200人を招いて、上海事務所の開所式を行った。
記者会見には大坪清社長、梶浦誠次常務、肥塚照樹常務、長谷川一郎取締役海外事業本部長、吉田正理事(中国総代表)の5氏が出席、席上、大連・無錫・スラバヤの3新工場の建設計画も同時に発表された。

以下、当日の記者会見における大坪社長の発言内容および質疑応答の概要を要約、お伝えする。

『本日は当社中国事業統括室・上海事務所の開所式に多数お集まりいただいて誠に有難うございます。当社の中国事業は、段ボール事業及び製紙事業あわせて既に8工場を展開しております。この事業をこれまでは大阪の事務所で管轄しておりましたが、これを新たに上海に統括室をおいて管轄することにしました。このOHQ(オペレーション・ヘッド・クォーター)を中国に置くことの最大の狙いは、中国そのものの経済発展が非常にスピードアップされていることです。

私が感じるところでは、日本での10年が、最近の中国を見ますと、中国は1年で成し遂げている、それくらいのスピードの経済発展だと思います。
これは開放経済が軌道に乗ったということですが、開放経済の原点になっているのが、「宏観空調」という言葉だと思うのです。これは物事を広く観察して、コントロールすることを出来るだけ少なくするという意味です。これが中国のスピードアップにつながっているわけですけれど、これに対応する上で、私どもの事業というのは、三つの原則があると思うのです。

一つは、われわれの事業を出来るだけ早く現地化すること、二番目に現地の事業を出来るだけ集約化すること、三つ目は現地企業と出来るだけ協業化のシステムを作り上げることです。
この三つのストラテジーといいますか、政策、つまり現地化・集約化・協業化--これを根底に置いて、中国市場に対応すべきであると思うわけです。
具体的に、それではどういうことかといいますと、一つは先ほど言いました八つの事業の採算管理を、一義的にこの中国統括室で行うことです。二つ目に、八つの事業会社の主原料の集中購買政策の基本をここで作ることです。それから、三つ目に、その八つの事業所の営業支援体制の基本政策をここで立案することです。それから、八つの事業所の設備投資を含めた中国での事業の投資計画を、ここで立案させます。
更に、中国市場全体の動向をここでキャッチアップして、本社に報告する。これらの基本政策を実行するために、中国統括室を開設することにしたわけです。

ところで、いまのレンゴーの国内・海外での事業概要を簡単に説明しますと、国内では段ボール工場が26工場、紙器・印刷工場が4工場、製紙工場が5工場、研究所が2カ所、それから子会社が約100社あります。
日本国内での製紙事業、板紙生産量は昨年の年間生産量で約220万t、この板紙市場でのシェアは19%になっております。
また、日本国内の段ボール生産高は約31億平方m、マーケットシェアは1位で23%となっております。

このように、板紙から段ボールまでから、当社は更に多角化を進めてまいりまして、ユーザーニーズに対応するため、印刷紙器・軟包装等々を展開しており、海外事業を加えて、本当の意味の総合包装紙業会社、英語で申しますとオールラウンド・エンタープライズ・フォア・パッケージング或いはゼネラル・パッケージング・ソリューション・カンパニーと言えるのではないかと思います。
先々週の経済紙のトップに出た「セルライナー」は、先ほどの二つの中央研究所で研究し開発したものです。セルローズに無数の気泡を作って汚臭やおむつなどのにおいを吸収する商品を作り上げました。将来非常に大きな商品になるのではないかと思います。

一方、海外事業は、1990年にシンガポール・マレーシアで海外事業を始めて、92年にタイ・インドネシアに進出し、93年に中国、95年にフィリピンに工場を展開しました。このアジア合計6カ国で22社25工場を有しており、生産量は段ボール原紙では約20万t、日本の生産量が220万tですから、その約1割に達しております。
また、段ボールの生産量は11億平方mで、日本の生産量の約3分の1に達しております。中国を除くこれらアジア5カ国の2001年の段ボール生産量は、ICCAの調査によりますと約60億平方mとなっております。また、中国の年間生産量は約130億平方mということです。

レンゴーはこれらの地域における生産量はまだまだ発展するであろうということで、レンゴー自身もこの地域に更に工場展開をして行こうというように考えております。その一環として2003年に、次の三つの工場建設計画を決定しております。その一つは大連の新工場です。大連は94年に大連聯合を設立して、非常に順調に推移しておりますが、これを更に増産するため、設備の拡大をしようということで、大連市の経済開発区内の輸出加工区に隣接した保税区内に新工場を建設することを決定、既に工事に入っております。
2003年5月に稼動する予定で、2003年10月ごろまでに、完全にこの新工場に移転するという計画です。月産能力は約600万平方mになる予定です。

二つ目はインドネシアです。これもスラバヤに新工場を作る計画で、月産能力は250万平方mに達する内容です。

三つ目は、この上海市に隣接する江蘇省無錫市への新工場建設を決定しました。当社は1995年に上海聯合を設立して、98年に工場を市街地から現在の浦東新区に移転したわけですが、非常に順調に推移しておりまして、平均月産量は400万平方mにも達しております。
特に最近では江蘇省への日系企業の進出が相次いでおりまして、上海聯合としても、この地に出来るだけ早く工場を作りたいとの要望が強く出て来たわけです。無錫市の段ボール新工場は住友商事が無錫市新区管理委員会と共同で開発する無錫工業地域の約8万平方mの用地に2万平方mの建物を建設、月産能力200万平方mの段ボール工場を、2003年末までには完成させる計画でおります。
この事業は、レンゴー及び上海聯合のほか住友商事からも15%の出資を仰ぐ予定にしております。役員もレンゴーグループからの董事2名以外に、住友商事からも董事1名の参加を要請することにしております。

以上の3工場の建設により、レンゴーグループの海外工場は製紙工場が中山地区に2工場、段ボール工場が中国・東南アジア合計25工場となります。
当社のアジア展開は段ボール工場の数は既に日本国内とほぼ同じ工場数となります。先ほども言いましたように、中国を中心とするアジア経済の発展は非常にスピードアップされておりますので、当社もスピードに乗り遅れることなく、スピードアップした事業展開をして行く予定です。
このように、アジアでもレンゴーは積極的に展開しだしているわけですが、ここで必要なのは、やはりレンゴーがこの地域でオペレーションしているんだという、いわばショー・ザ・フラッグ、そこに旗を立てて参加しているということをはっきり示す時期が来たということです。中国事業を統括するということは、中国におけるレンゴーのポジションをショー・ザ・フラッグするという意味も兼ねて、今回のこの事業統括室を作ったわけであります。

少し長くなりましたが、以上で、私の説明を終わりまして、これから質問をお受けしたいと思います。御覧のように、これだけの顔ぶれが勢揃いしております。時節柄、色々ご質問も多いかと思います。肥塚もおりますし、長谷川もおりますので、私にだけでなくご質問いただけると、私は楽なのですが(笑い)。

——雇用の創出についてですが、大体、中国全体でどのくらい雇用の創出に貢献しておられるのか、これからそれがどう発展して行くか、それから第2点として、段ボール産業においては、ストーンとかウェアハウザーとか、他の外資系の工場も進出しているわけですが、それらの事業規模はレンゴーの進出規模と比べるとどの程度なのか、中国全体に対してレンゴーはどういう地位にあるのか、それと全体の投資規模についてご説明下さい。

梶浦常務海外を担当している梶浦です。私からお答えすると同時に、長谷川の方からも説明させていただきます。
まず雇用の問題ですが、日本と違って、中国の合弁会社では皆さんが驚かれるほど人員が多いのです。レンゴーはトータルで大体四千名を雇用していますが、年々賃金が上がり、人件費が上がってきますし、コストダウンの要求が厳しい。従って、今後は日本と同じように、売上げに対する人件費比率を下げるように、各合弁会社とも目下、リストラを懸命に進めているところです。1工場で平均300名前後ですが、段ボール工場としては、当社以外も同じような水準ではないかと思います。
2番目の外資系段ボール工場ですが、いま大きいのはストーンです。これが大体6カ所に工場を持っていますが、規模等の詳細は分かりません。次に、シンガポールのセントラルパッケージです。われわれがはっきり知っているところは5カ所ですが、色んな情報によりますと10カ所ぐらいあるんじゃないかということで、その規模もトータル的には分かっておりません。
それから、ウェアハウザーとか、SCAとか、ヨーロッパ、欧米系の工場が幾つか進出しております。しかし、これらは1カ所か2カ所ということで、そう大きな規模ではありません。
そのほか、日本の企業は皆さんご存じだと思いますが、森紙業さんが青島と大連に進出されております。それから王子製紙さんが青島に1工場お持ちです。そのほか大日本紙業さんが蘇州に進出しておられます。最近では台湾の正隆とトーモクさんが上海、広東の方に工場をこれから稼動されるということです。
いずれにしても、トータルでレンゴーグループが外資の中では最も大きな規模を持っているということがご説明できると思います。設備投資については、どの範囲をいうかにもよりますが、中国の合弁会社に対してわれわれが出資している金額は大体80億強となっております。今日発表させていただきました分は、インドネシアを除いて、2つの新しい設備で大体40〜45億ぐらいの設備投資というように考えております。

長谷川取締役外資系の段ボール会社、特に欧米系は熱心な投資を続けてきたのですが、株安の問題とかまた中国国内の段ボールユーザーを開拓するに当たって、どうユーザーを取り込むかというような問題が出てきて、どちらかというと欧米系よりもむしろわれわれ日系とか、アジア系の方がやや積極的になってきたということがあって、最近は欧米系は少し生彩を欠く傾向が感じられます。
それから、もう一点はレンゴーの投資規模ですが、中国と東南アジアを含めて全体で約200億、そのうち半分が中国、半分が東南アジアと、大体半分ずつの形になっております。

——大坪社長におうかがいします。中国において、事業に成功する秘訣は何だとお考えですか。

大坪先ほど三原則を申し上げました。現地化・集約化・協業化です。やはり日本のように、一から百まで自分でやるという姿勢では成功しないと思います。中国のスタッフと、われわれとが、如何に本当のコミュニケーションが出来上がるかというところで、現地化をいかに早く進めるかということが一番重要です。

——レンゴーの海外事業は、まだ連結売上高の10%に満たない状況かと思いますが、これを将来的にはどの程度まで引き上げることを目標とされているのか、もう一つは多角的な海外展開の中でやってこられて、比較的短期間に成功を収められて、現在、赤字企業は2社だけとうかがっておりますが、それの成功の要因というのは、どう考えておられますか。

大坪レンゴーグループ全体の中での海外事業をどの程度に持って行くかということは、レンゴーにとって非常に大きな経営の問題点になるわけです。
私は就任以来、海外事業は20%を一つのターゲットにしているということで、レンゴーのトータルのオペレーションの中の20%を、レンゴーの「ビジョン2009」の大きなターゲットにしております。
レンゴー創業以来100周年が2009年ということでありまして、その段階でのレンゴー全体の経営像が作られているわけですが、その中で、海外での事業展開というのは、レンゴー全体の20%ぐらいの規模にしたいということです。
これは、なぜそうなるかと申しますと、レンゴートータルのアセット(資産)の中の、いわゆる有利子負債をどれぐらいに抑えるかということ、逆に言えばデット・エクイティレーションをポイント1.5に置いております。海外投資というのは、必ず投資が先行して、リターンがずっと後から出てくるものです。従って、この有利子負債を考えながらやって行く場合にも、レンゴー全体のやはり20%というのがターゲットになると考えております。
それから、短期間で利益をあげているのはなぜかという質問ですが、簡単にいえばレンゴーの経営陣の能力の優秀さですが(笑い)、正直言って、各地でパートナーを選んだわけですが、その選んだパートナーが非常に良かったということであります。
マレーシアはサイムダービー、タイはサイアム、フィリピンはサンミゲル、インドネシアではインドフードを中心にしたグループ、この中国でも各地域の非常にいい合作パートナーを得たというところが、最大の要因です。

——先ほど社長が「ショー・ザ・フラッグ」ということを言われましたが、その旗を誰に対して見せるのか、どのあたりを一番意識されているのか、その辺のお話を伺いたいのですが。

大坪中国でレンゴーが「ショーザ・フラッグ」と言った場合には、やはり中国にレンゴーがこのように事業展開しているということを、中国の人々に広く知ってもらいたいこと、たまたま明日から共産党大会でありますが、タイミングとしては非常に良いのではないかという風に私は思っております。中国国内でのレンゴーのポジションというのを、ここではっきり確立したいということです。
勿論、日本でのマーケットに対して、レンゴーの動きのPRもして行きたいと思っております。

【新工場建設計画の概要】
[大連新工場]
レンゴーは1994年大連聯合をスタートしたが、既存工場の生産能力が既に限界に達しており、日系ユーザーを中心に高品質の段ボールの供給体制を整えるために新工場を建設、全面移転を計画している。
新工場は、2003年5月稼動開始、2003年10月頃までに移転を完了する予定。
▽2003年5月稼動予定▽土地48,500平方m、建物26,500平方m▽BHS製2200mmコルゲータ▽月産能力=600万平方m。
[無錫新工場]
レンゴーは、1995年に上海地域に進出し、1998年には工場を市街地から現在の場所に移転、操業を行っている。
近年、日系企業の多くが上海に隣接する江蘇省南部の無錫市、蘇州市及びその周辺に集中しており、同地域の急速な需要増に対応するため、住友商事が無錫市新区管理委員会と共同で開発する無錫華友工業園での新工場建設を決定した。
なお、出資者はレンゴー本体及び上海聯合に加え住友商事からも15%の出資を仰ぐ。日本の取締役会にあたる董事会メンバーはレンゴーから董事2名(うち董事長l名)、住友商事から董事1名、また上海聯合が2名の董事を任命する。
▽2003年年内稼動予定▽土地80,000平方m、建物20,000平方m▽三菱製1600mmコルゲータ▽月産能力=200万平方m。
[スラバヤ新工場]
レンゴーは、1992年にインドネシアに進出し、現在首都ジャカルタ、第二の都市スラバヤ、ジャワ島中部のスマランの3都市で段ボール工場を操業中。
スラバヤ工場の生産能力を補うために第2工場を建設し、現地食品メーカーを中心とする同地域の需要増に対応する。
▽2003年秋稼動予定▽土地34,000平方m、建物16,700平方m▽三菱製1600mmコルゲータ▽月産能力=250万平方m。