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業界動向

2007-06-15 ユタニ工業(株)織田夏樹段ロール事業部長に聞く

織田夏樹事業部長

織田夏樹事業部長

本紙では3年前にユタニ工業(株)段ロール事業部の織田夏樹事業部長に聞いた段ロール製作現場のいろいろの話題を掲載し、非常な好評を博した。段ロールは、コルゲータの一番カナメの部分だが、その更新ビジネスは、いつもは表面に出ることのない、いわば蔭の力持ち役の、しかし最も重要な役割を担う部門。後継の若い人材が育たない悩みは相変わらずのようであった。以下、織田部長に聞いた最近の状況をお伝えする。

<問>最近、この段ロール製作の分野で何か特に変わったことはありますか。

<織田>仕事は、別に増えているわけではありませんが、減らないんです。やはり固定客が多いですから。それと製作に時間のかかるものですから、忙しさは相変わらずです。ただ、お客さんの中で、二、三社、コルゲータを止められるところが出てきました。これまでは、そういう例が非常に少なかったのですが、やはり、その点、コルゲータの生産性など、競争力の問題が、これまでになく強まっていると感じております。

<問>御社の設備面ではいかがですか。段ロール研磨機など、非常に特殊な分野の機械がメインになっているわけですが。

<織田>この間、設備の面で多少、トラブルがありました。ドレッサー装置というんですが、段ロールの加工をするときに、一番大事なヤマ型を成形するものですが、研磨機を如何に効率良く、精度よく動かすか、それが一番大事なところなんで、先日、徹底的に修理をしました。うちは、メーカーではなく、ロールを作っているだけですから、研磨機が一番大事な機械です。そのメンテが大切です。

<問>月に何本ぐらい製作できるものですか。

<織田>いまのところ、月に8組です。研磨機が2台ありますから、1台1組、4週で4組、それの2倍で月間8組です。5週の月もありますけど、年間にして100セット行くか行かないか、そのあたりが能力的な限度です。

<問>段ボール会社の方がいくら段ロールを交換したくても、御社の製作能力で全て決まるわけですね。順番待ちですか。

<織田>そうです。取りあえず、大体3カ月分ぐらいの注文量をもらって、こなしていますから、例えば、新規に注文をもらった場合には、交換には3カ月後から掛かるから、納期は早くても3カ月か4カ月ということで注文をもらっているんです。

<問>お客は、それをみんな知っているわけですね。

<織田>ウチにリピートされている方は、急に頼んでもすぐは入らないから、ロール交換時期になると、その3?4カ月前からこのロールを引き取ってくれといって、話が来ます。昔と違って、いまは、ロールを交換したら、予備ロールを下ろしますね。それをすぐ持って帰れというんじゃなしに、予備ロールを置いたままで稼動していて、やっと交換時期がきたころになって、その予備ロールを持って行けということになるんです。以前だと、交換したら、すぐそのまま予め加工に入るんですが、納めたときから取り替え工事まで間があるでしょう。いまは、そのように次に使う予備ロールをおいたままにしているお客さんが多いんです。

いまは、交換時期になってから持って行けというお客さんがほとんどです。以前は、交換したら、使い古したロールをすぐ持っていって、加工してくれ、出来上がったら納めてくれという話が多かったんですが、そういう点がすっかり変わりました。

<問>いま使っているロールで、飛んでもない事故が起こったら大変ですね。

<織田>そう、1件ありました。今年の3月ごろでしたが、工具を噛まして、ヤマが10ヤマぐらい破損したんです。それで、代わりがなくて、下ろした古いロールを戻して、何とか凌いだんです。そんなことがありました。まあ、ギリギリまで使いますけど、使い古しのロールも、いざとなったら使えないことはないんで、事故になったら、それを元に戻せばいい、ということはあります。

<問>御社の社員の人たちは、相変わらず人手不足ですか。それと織田さんの後継者の養成の件ですけど。

<織田>出来ないですね。

<問>養成しようと思って一生懸命、やっておられるんでしょう。

<織田>はい。ウチはメーカーではなく、ロールだけを生産するんですが、実際にはコルゲータに触って調整する経験者が必要です。その経験がないと、交換作業が出来ないわけですが、そういう経験者が、私以外にいないんです。それを伝えるのが難しいわけです。

<問>内田さんもなくなったし、丹羽さんもなくなった。コルゲータを勉強する場所が少なくなって、同時に人を養成・訓練する場所が無くなったわけですね。

<織田>そうです。まあ後継者ですが、難しいです。例えば、三菱さんのベルトプレス式のシングルフェーサというのは、径が400以上と大きいければ、調整もし易いし、大きな失敗がないんです。だから、図面通りに加工するものを加工してあったら、まず間違いはないんです。いわゆる「50C」型以上ですね。しかし、従来の内田、丹羽が作ったような小さいロールは、やはり研磨の不良とか、メッキの不良とかで大きな問題になります。

私は丹羽でも経験がありましたけれども、丹羽の場合は400が一番大きくてSF250という型だったんですが、あれは安心して動かせる機械でした。径が小さくなると、機械の調整とか、色んなことを考えながら加工しなければいけないんです。いまの三菱さんのシングルフェーサのような大径ロールなら、ロールを加工する人がコルゲータを知らなくても、指示通りにヤマ型、クラウンをつけて加工していればあまり問題ないと思います。

うちの場合、まだまだ小さい丹羽さんとか、内田さんのシングルフェーサの数が多いんで、よけい神経を使います。内田さんの機械は使い勝手が良いんです。だから、片段屋さんでは、まだ結構残っています。両面でなくてですね。そのほか、大和メカニックの機械とか、そのロールもやっています。

<問>段ロール用の研磨機は、ドイツのワールドリヒとマチソンでしたね。

<織田>マチソンはいい機械です。もう無いんで、惜しいです。ワールドリヒは日本に3台あるんですが、マチソンに比べると、メンテのし難い機械なんです。とはいっても、段ロールを加工する機械はもうワールドリヒしかないんです。

<問>まだ新品も作っているんでしょうか。

<織田>作っているそうです。ドイツのBHSが中国に進出して、工場を持っていますね。あのBHSの工場の段ロール研磨機は、すべてワールドリヒだと聞いています。