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昭和57年シート市況(その1)

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  • 「シート市況」研究(1982年)「シート市況」研究(1982年)

(1月上旬)
関東地区のシート市況は、昨年末、底値圏でほぼ保合い状態に入り、その趨勢のまま新年に移行した。新年の当面の課題となっているのが、まず下げ過ぎた特定納入先への価格是正。総体には、C5/78円見当が多いが、75円以下の下値整理がまず先決のようだ。目下がちょうど潮の変わり目の気配。強気と弱気が入り乱れて、当分気迷いムードか。
(1月下旬)
年明け後の需要情勢がまだよくつかめないが、景気は一進一退ながら、ゆるやかなペースで"自律反転"に向かっているのはまず確実だろう。シート市況も、昨年末に比べ、いちだんと底上げが進行しつつある形勢。当面、C5シート75円以下の"特値"的なものの整理が第1段階、ついで80円台のせが焦点となってこよう。性急にはいかないだろうが。
(2月上旬)
段ボールの「市況回復」の"方向"は定まった。しかしどう展開するのか、まだまだよく分からない。景況の停滞、足ぶみ状況につれて、情勢はややズレ込み気味の感触。工業組合の人事問題も、心理的に影響しているだろう。採算性から、じりじりしてくる心理を反映して、段ボール不況カルテル(調整規程)の認可をめざす動きが広がってきた。市況保合い。
(2月中旬)
日銀卸売物価のシート指数が、12月につづいて1月も反発、小幅上昇した。段ボールメーカーの、まず第1着手の"安値是正"が、公式数字に現れはじめた形である。シート価格については、各社それぞれの取引先に対する価格復元要請がまちまちになっているが、大体において、C5(170g)基準で80円〜84円/m2程度のようだ。
(2月下旬)
段ボールシートメーカーのシート価格値上げ"お願い"の動きがいよいよ活発になってきた。いまは、まだ見積もり段階だが、期日としては「2月21日分から」ないし「3月1日分から」の線、現行納入価格に対して7〜8円プラス、C5基準で80円〜84円程度が聞かれる。製函メーカーの方は、まだ聞きおく程度の反応の様子。
(2月末)
シート価格の値上げ交渉が目下、個別的に進行中。もっとも、まだこれぞという情勢には固まっていない。難かしい周囲の環境下で、ケース価格動向の展望をふまえたじっくりした話し合いが、当面、シートメーカーと製函メーカーとの間に何より必要だろう。しかし、昨年の"全く手掛かり無し"といわれた無気力状態からは、大分変わった。全般にやる気が動いてきた様子。
(3月上旬)
3月分からのシート値上げ交渉が進展、小口ものがまず一斉に値上がりした。一般に予想された以上に早い浸透経過とみられ、中旬にも大きなヤマ場を迎えそう。製函メーカーも、ケース値上げ交渉にいち早くスタートし、新年度の更改をめざしている。シートメーカー、製函メーカーがお互いに"分かり合った形"でのアベック値上げの雰囲気になったようだ。
(3月中旬)
関東地区のシート市況は、3月中旬、東京を間にはさんだ北関東(埼玉以北)と南関東(神奈川)の価格差が、一方の遅れと、一方の進展で更に開いた感触。神奈川では、C5で87〜88円もあり、全般に80円台。一方、北関東は78円がやっと、との見方が多い。あくまで途中経過だから、まだ大局は不明だが、個別にも、やや跛行がめだつ形勢。
(3月下旬)
1月が5億6千万m2台、2月が推定6億1千万m2台と、今年の出だしはあまり芳しくない。この水準は、ごく控え目な需要予測をもわずかながら下回った、という感じのもの。ただし、2月は1月より上向いたし、3月はむしろ思ったよりよくなったのではなかろうか。こういう"矢印"の向きからいえば、今年は、特に後半、決して悪い年ではなさそう。
(4月上旬)
原紙業界の騒動がどうおさまるのか、広がるのか、とにかく一応模様眺めというのがシート市場の気配だろうか。段ボールメーカーの立場も微妙。値上げの旗をおろせるわけではない。むしろ、収益的にはあくまで「値上げ」で行くしかない。そのあたりの今後の展望がどう出るのか、もう少し時間をかけなければ、という見方が急に広がったようだ。
(4月中旬)
新春以来、シートメーカー各社が進めてきたシート値上げが、原紙業界の内部対立に端を発した中芯値下がり、代理店の動揺、外装用ライナー市況への波及懸念などから、急に色あせてしまった。北関東では、C5/75円以下はなくなったが、大体75円〜82円で休止気配。南関東はC5/78円〜84円前後で、同様、模様眺めの市場情勢に変わっている。
(4月下旬)
「連休あけはどうなるか」が、目下最大の関心事。段ボールメーカーは、値上げをお願いしながらの大勢観望、製函メーカーは「休みがあけなければ実際のところは分からない」といいながらの大勢観望で、市況は保合った。原紙が下がったら、ユーザーからまたどんな注文が出るやらという懸念は製函メーカーも同じ。需要がやや動いて、市場全般に安定したムード。
(5月上旬)
4月下旬の日銀卸売物価指数が、ライナー、中芯は下がり、シート、ケースは横ばいに推移した。現況の最大公約数だろうか。原紙の軟化で、段ボールメーカーはひと息ついた。つれて、韓国・台湾からの輸入紙が急減した。また、今春来の「段ボール値上げ」が解消、目下微妙なバランス。当分は、このままの、はっきりしない情勢が続きそう。
(5月中旬)
連休明け後の段ボール情勢は、特に変わりばえしないものの、経済全般の不況ムードを映して、市況的に"やや弱含み"の感触に変わった。段ボールメーカーの収益内容は、紙の軟調分と需要量の増加でやや浮上し、各社とも「赤字の幅が縮まった」状態とみられる。目下の需要動向からみて、6月は確実に7億m2大台にのるが、ムードはもう一つか。
(6月上旬)
日経市況の影響が大きい。さる6月3日付の「段ボールシート急落」で、段ボール業界はてんやわんや。"中芯事件"で春の値上げが解消したあと、保合いないし弱保合いで大体横ばい状態とみられていたから、なおさら"唐突"の感が強かった。新規工場で、遅ればせの拡販メーカーの出す価格あたりが、この"全国市況"の火ダネか。各社防戦、弱保合い。
(6月中旬)
市況は、「日経市況」の余震が引きつづいて、シートメーカー各社とも対応に忙殺される毎日。シート価格以上に、ケース価格が心配になった。九州(C5/90円見当)では「当地より20円も安いのか」と信じられない声の多い日経表示が、しかし東京・名古屋・大阪の大都市圏に特に重圧となって、影響を及ぼしている気配。弱気配。
(6月下旬)
需要がもう一つ。「6月7億m2」は、かなりいいところまで来ているが、やや微妙。シート市況は、依然、弱保合で、横ばい情勢変わらず。シートメーカーは値下げ圧力に懸命に抵抗している。日経市況以来、製函メーカーの小口ものも、ユーザーから値引き要求が強まり、危機感が生じている。"業界総貧乏"型の、過去にも何度か繰り返されたパターンに。