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シート市況 研究

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昭和59年シート市況(その1)

  • 図1図1

  • 図2図2

  • 表1表1

(1月上旬)
「閑散期にはシートも少し下がるんじゃないか」との思わくが、すっかり外れた。逆に、むしろ気分的には「強保合」の地合い。昨年中、不安定感を誘った「構造改善」の材料が、いまは裏返しに強気ムードを誘っている。「春の値上げ待ち」の市況推移が当分つづきそう。原紙を10円の目算にして、シート相場はどうか、ケースはどうの試算も始まるか。
(1月中旬)
1月20日に再度開催の大手原紙メーカー社長会で、構造改善の業界案作成の骨子が出来上がった。、最終案はもうすぐ2月初旬には作成完了に至る運び。市場の空気も、これを映して、刻々と変化して行きそうだ。さし当たりいわれる「3月値上げ」がどういう形で表面化してくるのか、まだその輪かくも定かでないが、いつもと同じの急にバタバタ型か。
(1月下旬)
58年の段ボール業界は、前年比7%増加という当初誰も予想しなかった回復であった。この勢いが、いまもなお続いている。そういえば、昨年末も、例年だと11月過ぎると仕事がバッタリだったのが、ほぼ年末ぎわまでつづいた。年明け後も、折柄の厳寒を反映して、ユーザー先の商品の売れ行き好調。何となく明るい気分が浸透している。
(2月上旬)
シート市況、2月上旬も変わらず、平静な推移。じっと、段ボール原紙の構造改善の成り行きを見守る空気。年間で最も閑散な時期にもかかわらず、市場全般に活気がみなぎり、1月以降現在までの需要経過は、まず"すこぶる良好"の感触。「春の値上げ」も、いわば構造改善待ちだが、どんな展開になるのか、未だなお"霧の中"の様子。
(2月中旬)
段ボール原紙のキロ10円の再値上げも、つれて段ボールシート、ケース価格の再修正も早晩必至であることは業界の誰もが承知している。しかし、なかなか機が熟して来ない感触。そこには、メーカーの値上げ意向だけでは単純にことが運ばない条件が、幾重にも積み重なっているようである。「春の値上げ」はまだまだ先が読めない感じだろうか。
(3月上旬)
いい時期に、いい芽が出てきた。全国段ボール箱関連事業協議会のことである。景気は順調に回復の過程を進んでいる。その一方、段ボール関連業界は、原紙のもうひとつしゃっきりしない現況を軸に、「このままでは景気に取り残されてしまうのではないか」という焦そう感が市場全般ににじみ出ている。それへの答えの一つ、展望への材料の一つになるか。
(3月中旬)
1月度の段ボール生産確数からみると、全国的な大雪がかなりの影を落としているようだ。何分にも、これまでは、今年ほど大規模に、かつ全国一様に連続して降った記録がないから、つまり前例がないから、降雪の段ボール需要に及ぼす影響には不明な部分が多いわけである。昨年度と逆に、永すぎる冬が市況的にもマイナスの感触となって、やや軟調。
(3月下旬)
昨年秋、ズレにズレ込んだ原紙値上げが曲がりなりにも形が出来て、やがて段ボール値上げへと動いた際、それでも「本番は明春」、つまり今年の春と思われていた。その春がようやく訪れて、しかし、未だに業界の体勢は整わない。条件が何も整備されないまま、「原紙値上げ」の"声"だけが出て来た。反作用なのか、戻しの声も業界表面に浮かんできたが。
(4月上旬)
「春の値上げ」は、結局、声だけに終わった気配。もっとも、需要の増加、生産の活発化と、構造改善のスタート、全段連調整規程による規格外原紙の追放が重なってくる5月連休あけに、どういう情勢変化が出てくるのかは、まだ分からない。現在のもやもやした気分を反映して、シートやや軟調。当初設定の"仮価格"が少し切り下がった形のようだ。
(4月中旬)
"戻し"の問題と"春の原紙値上げ"とが交換条件のように新聞報道などで伝えられているが、段ボール側の感触とは、その点かなり食い違っている様子。そのモヤモヤした中から、「5月連休明け」での変化がかねて注目されている。あと10日で連休入りのいまなお、「今年はどうも劇的変化はなさそう」という見方の方が多い。環境はまだ整わないか。
(4月下旬)
3月の段ボール生産が7億4,700万m2と発表された。確報段階では、3月に早くも「7億5千万m2」を大きく突き抜けた数字になりそうである。このペースでいくと、4月は7億7〜8千万m2程度、前半のピークの6月には8億m2近い繁忙感が再び訪れて来るだろう。そうした中で、青果物関係が異常気象の影響で不振。市況面でも当面の焦点の形だ。
(5月上旬)
1〜3月期、市況的にやや不安定な時期があったが、ここに来て、どうやら落ち着きを取り戻している。5月に入って、すっかり天侯も回復、まるで初夏のような好天がつづいており、需要も相変わらず堅調だし、まずまず好便な推移。5月15〜16日ごろ認可が見込まれる合理化カルテルが今後の材料。ダッシュものの整理がどう進むかが焦点に。
(5月中旬)
春先の市況不安定がおさまって、目下、完全な保合商状。需要は、時折一服を交えながらも、まず堅調に上伸がつづいている。「連休明け」後の市場情勢の変化は、以前に業界が何度も体験してきたような"様変わり"のものではなかった。むしろ、じわじわと"陽転"しつつある形。底流で、いま潮の流れが大きく変わってきた感触である。
(5月下旬)
「5月連休明け」のジンクスが"どっこい生きていた"という経過になって来た。"しらけ時代"を反映してか、ワンテンポずれて、5月も末から状況が急転しはじめている。これが一旦転がり出すと、急坂を転がり落ちる雪ダルマのように、1週間、10日で見違えるほど大きく、加速度もつきはじめる。今年の夏は、昨年以上に汗だくの夏になる予想である。
(6月下旬)
6月21日出荷分からのシート値上げは、大勢としてほぼ全面浸透が予想されるムードへと、刻々変わってきた。最終目標であるケース価格の修正が先決課題であるため、7月いっぱいにそのメドをつけようと、製函各社とも「ケース一本」にしぼり込んで、精力的に動いている。「ケース修正が不充分なら、シート代のカブリは必至」とのヨミ。7月中旬が大きなヤマ場に。