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シート市況 研究

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昭和59年シート市況(その2)

(7月上旬)
ケース値上げは、段ボールメーカー、製函メーカー両者の"共闘"も随所におり込んで、少しずつ、少しずつ前進しつつある。ユーザーの反応も、少しずつ変わりつつある様子だ。もっとも、大きな岩を動かす難事業だから、短気ではとても通用しないのも明らか。ケース値上げ一本に全力投球する中で、シート価格は自然におさまる観測のようだ。
(7月中旬)
ケース値上げが順調に進展し出している。版代や型代の問題も、きちんと説明すれば分かってもらえることが証明されたようである。需要は依然竪調。天侯がらみで一時懸念された青果物の成育もすっかり回復した。それにこの暑さ。夏場はやはり暑くないといけないようである。あれこれ含めて、C5/75円ベースへのシート値上げも大勢決した雰囲気に。
(7月下旬)
こんどは、業界全般に、ケースがどうで、シートがどうといった議論があまり聞かれないまま事態が進行した。シートは一足先に全面浸透の形勢、ケースは少し遅れぎみながらも、着実に浸透の方向に向かって動いている。そして、ここまで来ると、ケースも全面浸透は早晩必至であろう。すでに、多くの交渉で話が煮つまっている。業界各社いちだんと前向き姿勢に。
(8月上旬)
段ボール市況の面でみると、1年は「1〜4月」の上期と、「5月〜8月」の中期、そして「9〜12月」の下期とに区分けされるようだ。今年は、上期の胎動期、中期の具体行動期がほぼ順調に経過して、旧盆の一服後、いよいよ下期の"総仕上げ期"に入る。シートもケースも、市況の流れ、基調がはっきり反転、7月がその境界になった。
(8月中旬)
お盆の夏休みの一服が、今年はほぼ大過なく越えられたようだ。原紙需給の小甘いのが少し気になるが、秋の需要シーズン入りが近い。そろそろ夏休み気分を払拭して、それぞれ"本番"の段ボールシート、ケース値上げの詰めに動き出しそう。結局、前半戦と後半戦に分かれた形ともいえる。
(8月下旬)
段ボール原紙の新マシン稼動は、以前から分かっていたことだが、その場になってみれば、やはり"かったるい"感じは否めないようだ。かといって、当面の段ボール値上げ、加工段階の収益問題には"関係ない"ことも確か。とにかく、欠損を出さないように、大勢につれてやっていく以外ない空気。
(9月上旬)
ケース値上げ交渉の進渉状況を横目に見ながら、水面下で暗黙の"実勢"水準の模索がつづけられてきた形のシート値上げ問題も、いよいよ大詰めが迫ってきた。業界筋の見方では、9月下旬ごろには表立った動きに変わってくるとの観測が多い。C5/70円を基準にした表現が多くなった。
(9月下旬)
今回の段ボール値上げ局面で、従来と全く違ったハダざわりだった"モノいわぬ製函メーカー"が、これから何をいい出すかといった雰囲気が最近出ている。C5基準でどのあたりが「相場」なのか、もうすぐ大勢の答えが出そう。需要は依然好調が続き、9月はやはり8億m2大台を抜いた感触。
(10月上旬)
今年2月以来、前年比で毎月2ケタ台、とくに5月〜7月は12〜13%増をつづけてきたシート出荷が、8月に伸びを半減させた。手当ての"前倒し"発注の反動のようだが、こうした状況は9月ごろまで影響が残った模様。シート市況はまだ不確定要素が残るものの、C5/68円〜70円あたりの感触がいわれている。
(10月中旬)
各方面の情報を総合すると9月の生産(需要)は、これまでの拡大パターンがかなり変わって、各社とも伸び悩み状況だったようだ。「急ブレーキがかかった」という表現がされている。「10月」は、1年中で一番の最盛需要シーズン。だが、9月から引きつづいて、10月の前半は「あまり良くない」という声も多い。基調は何も変わっていないが。
(10月下旬)
段ボールの需要動向に関する業界筋の"感触"と、統計に出てくる"数字"の状況とが、ときどき食い違うことがある。ごく最近では、9月がそうだったようだ。9月は、前年比伸び率が相当下がったとみる向きが多かった。だが、速報値からは、その気配は感じられない。米国の景気が頭打ちしたのに"連想"が働いたのか。
(11月上旬)
日銀卸売物価指数のシート市況指数が、10月中旬までの95.0から10月平均では94.7に引き下げられた。日銀指数などは、いわば無色透明なものだからまだよいとして、最近のような情勢で業界が一番困るのが「下がった」という表現。実態としては「そこまでしか上がらなかった」のが本当だが。需要は好調。10月は8億m2突破の史上最高が確実。
(11月中旬)
昨年から今年にかけて勢いよく拡大をたどってきた段ボール需要の今後は、政府が基本的な政策課題に掲げている輸出依存から内需依存への転換による経済成長の成り行き如何にかかっている。そういう意味では、緩やかな足どりながら、ことはまず順調に進行している気配。波乱材料はいつも原紙だが、新春相場がどう動くかが、シート市況にもやはり焦点。
(12月上旬)
需要市場は、もう歳末の気分。あと10日もすると、59年の仕事の残務整理的な雰囲気になってくるだろう。今年も、ずいぶんいろんなことがあった。とくに、段ボール値上げを抱えつづけた年だっただけに、それだけ一喜一憂しながらの年だったように思われる。値上げは結果的にはうまく行かなかったが、数量景気の恩恵はあった。そういう意味では、まずまずか。
(12月下旬)
段ボールメーカー、製函メーカーともに、今年10月には売上高、生産量とも月次で創業以来の新記録をあげたとみられる。生産量では、昨年10月を中心とする時期に、これまでの最高を記録したのが一般的だと思われるが、売上高については、第2次オイルショック後の高価格時(55年春)の記録をこれまで抜けなかった。春も、平静な推移を予想。