特大


シート市況 研究

ホーム > シート市況 研究 > 昭和60年シート市況(その1)

昭和60年シート市況(その1)

  • 図1図1

  • 図2図2

  • 表1表1

(1月上旬)
本州製紙が、段ボール原紙市況の実勢を追認した形で、59年11月納入分にさかのぼって同社製Kライナー建値価格をキロ当たり5円値下げした。かねて色々な情報が流れていた原紙価格問題は、一応これで一件落着の形。ジュートライナー、中芯とも、公式的に値下がりが確認されることになろう。シート市況はすでに材料おり込みずみだが、波乱含み。
(1月中旬)
段ボール原紙の価格が上がると、いわゆる"玉突き"式に、シート、ケースの値上げが全国津々浦々に向けて押し進められる。メーカーは数十社、段ボールメーカーは300社、製函メーカーは何千社、ユーザーは何万に達するか、数が知れない。新年が、市況的には波乱含みの幕開けとなったが、この難場をどう乗り切って行くかテンションの季節のようだ。
(1月下旬)
昨年の1月が、全国的に厳寒つづき、降雪つづきだったのに比べると、今年は降雪どころか雨さえ滅多に降らず、気温も大層おだやかな状態で推移した。需要と天候の因果関係から、まずはこれ以上ないベスト・コンディションだろうか。段ボールの市況はこのところ弱含みながら保合い状態。波乱含みがいわれながら天候同様平穏に推移している。
(2月上旬)
オイルショック後、段ボール原紙の低米坪化が急速に進行した。しかし、昨年からはそれも全く一巡の形勢となり、かつ全段連調整規程(合理化カルテル)の効果が加わって、このところ原紙の品質規格的には安定的に推移している。日本製紙連合会がまとめた昨年の坪量別生産調査も、こうした状況を裏づけている。安定品質、安定価格指向が一だんと強まっている。
(2月中旬)
おだやかな市場情勢がつづいている。2月はじめごろ「先頭切って単独値下げした」ように日経紙に書かれた本州の問題も、ユーザーが実態は先刻承知なのか、加工業界が心配したような悪影響はそれほどないようである。1月、2月の不需要期がもうすぐ経過、ぼつぼつ春需の声が聞かれる3月が来る。商売はもっぱらタテのセン。
(2月下旬)
1月の段ボール生産速報をみると、6億8千万m2で2ケ夕増となっている。これだと実績値は6億6千万m2ぐらいの感触。それから、どういうものか12月から1月にかけての落差が昨年あたりから相当大きくなったようだ。一説によるとユーザーが在庫を持たない"カンバン方式"を徹底させているせいだともいう。市況は穏やか推移変わらず。
(3月上旬)
過去を振り返ってみると、景気が過熱したあとは、いつもロクなことがなかった気もする。特に、この産業界は、少し良くなると、古紙だ、パルプだ、チップだ、原紙もシートもケースもそれっとばかりになって、少し経つと、過熱した分だけ手痛いはね返りが来るというのが多かった。いまそれとは逆。万事サエないが、その代わり情勢の急変もない環境。
(3月中旬)
1月度の段ボール生産実績が6億5,300万m2、前年比5.4%増。オイルショックの混乱を乗り切って、国民経済が中度安定成長ペースへのソフトランディングに成功したことを意味する段ボール統計値が引き続いている。昨年末ごろいわれた3月危機説は杞憂に終わった。最終のケース価格が上がらなかったことへの見合いの原紙、シート市況調整もほぼ一段落か。
(3月下旬)
段ボール需要の拡大のテンポが、この1月〜2月、かなり良好だった。ぼつぼつ、季節的には不需要期あけ、春需シーズンに入ってくる。製函メーカーの採算状況は常にシート価格とのバランスだが、先の値上げの調整が進んで、このところめきめき改善され、累損も急速に解消しつつある。4月以降の市況情勢もまずまずのおだやかな見通し。
(4月上旬)
原紙市況の値崩れが3月ごろから急にめだってきた。つれてシート市況にも波及しつつある。段ボール原紙価格は、コスト的には特に段ボール古紙相場に大きく左右される。その土台が揺らいできた。原紙の市況が悪化、収益が悪いから古紙の買入価格を下げる。それがまた原紙市況を下から掘り崩す悪循環。需要堅調をよそに、危険な兆候が現れた。
(4月中旬)
古紙市況の急落が、春の突風のように、業界にさまざまな波紋を投げかけている。原紙が混迷気配の割には、段ボールは落着いている。幸い、ケース価格の新年度価格更改が全般に無難に終わっているのが何より。5月連休をできるだけたっぷり休んで、英気を養って、冷静に冷静にやっていこうといった空気が、加工段階の全般的ムードのようだ。
(4月下旬)
段ボール原紙が"総崩れ"の形になって、シート市況も影響されはじめた。現実には、少し以前に「安値」とされた水準が、やがてごく普通の相場になるという形で、そのテンポが少し早まってきた気配。もっとも、原紙の場合のような基本的な欠陥が段ボールにはないから、総体としては落着いている。形勢を観望しながらの成り行きだろう。
(5月上旬)
今年は、3月から8億m2の大台に乗り、以後連続8億ペースと予想されていた。、しかし、このほど通産省から発表された3月確報では7億7,800万m2と、予想を相当下回っている。「雨に弱い」段ボールが、毎日毎日いやになるほど降りつづいた雨で、遂にダウンした恰好である。段ボールケース価格の堅調を反映して、シートも弱含みながら底固い推移つづく。
(5月下旬)
段ボール市況は、変わらず、平静な推移。水面下のうごきもあろうが、業界全般におっとりしたムード。段ボール需要も、5月に入って、天候の回復、気温上昇とともに漸く上向きはじめ、青果物関係も活発化してきている。4月に8億m2台を回復して、5月は連休の関係でこのラインを少し下回るだろうが、実質ベースはぐんと上がった形勢。
(6月上旬)
日銀の短期観測では「景気は現在の調整局面を経て、先行き再び拡大に向かう」と。段ボールの需要状況も、どうやらそういう感じで動いている。年明け後、長雨つづきの3月、4月にかけては、やや先行き不安感を持たせる経過だったが、ここに来て需要の手応えが確かなものになってきたとされる。先行きへの展望が、現在の市況情勢を底支えしている。
(6月中旬)
「今年の梅雨あけは早い」というのが気象庁の予報。いかにもツユらしく、このところ降りつづいた雨が、20日の午後には青空がのぞいて、中休みのあんばい。晴れ上がると俄かに暑い。着実に夏が近づいている証拠だろう。需要が好転している。それを反映して、シート市況もどうやら底値圏の感触。古紙、原紙、シートとも安値ながら保合い状態に移行してきた。
(6月下旬)
連日の雨で、6月下旬は市場全般に重苦しい雰囲気の推移だった。毎日雨ばかり降ると、人間誰しも動きが不活発になる。仕事にも、もうひとつ気合いが入らない。先行きにも悲観的になる。そういう重苦しさだが、市況的には弱保合いのまま変わらずの推移。。台風一過、好天が戻れば、市場の空気も一変しよう。と思えるほど、段ボールの需要基調は堅調。